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73 この想いの行く先には
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「あー今日も居残りか〜」
「翼冴またかよ」
「まーた慧都に頼るのか?」
「いや…さすがに……」
昨日の今日で多少は気まずいと思ってるのか、今日のゼミ中一度も目が合ってない。
「慧都〜翼冴がこんなこと言ってるけど、どうすんの?」
「え、それ僕に聞くこと?」
「そこは聞くっしょ」
ここでようやく、翼冴と目が合った。
「無理しなくていいよ、慧都。さすがに昨日に続いて今日もとか…」
「え、なになに?昨日って?」
「今日提出する課題が終わってないからって見てあげたんだよ」
「ははっ!さすが翼冴!」
翼冴は無理しなくていいと言ったけれど、ここで帰るのもかわいそうだ。
「なぁ慧都、翼冴のこと見るついでに俺のも見てくんない?」
「ぶはっ、お前もかよ」
「今回の難しくない?お前らちゃんと合ってんの?」
「…そう言われると不安になるんだけど」
「確かに…」
「一緒に確認しようぜ」
そして結局、ほとんどのゼミ生が残り、確認したり教え合ったりすることになった。
僕は翼冴ともう一人の課題を見ることになった。
別にどれだけ遅くなったっていいんだ。
関係ない。
待たせている人は、もういないのだから。
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