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メッセージを読み終わって、気がつけば俺は家を出ていた。
今、慧都がどこにいるかなんて分からない。
とりあえず慧都の家に行くも、まだ帰って来ていない。
まだ大学にいるのかもしれないと、大学の方へ向かう途中、聞き慣れた声が聞こえた気がした。
さっきも通った道。
周りを見渡すも、その姿を捉えることはできない。
でも、やっぱり聞こえる気が…
「…待っ…て…」
そして、見つけた。
建物と建物の間に隠れていて、見つけにくい場所にいる、
キスをしている慧都と翼冴を。
何で……
翼冴が慧都の手首を押さえつけてキスをしている。
気がつけば俺はそちらに向かって歩き出していて、そして二人の肩を掴んで引き離した。
二人は突然のことで、何が起こっているのか理解できていないようで、目を丸くしてる。
「慧都!何してんだよ!」
「え、あ、壱椰?な、んで…」
「壱椰?え、てか今見たよな」
翼冴が赤くなる。
そんな姿を見て舌打ちをした。
「さっきメッセージ見た。何なんだよ。本当に自分勝手過ぎ」
「…ごめん。でも僕は…」
「え?え?」
俺たちの会話についてこれない翼冴は混乱しているが、そんなのに構ってる余裕は俺にはなかった。
「忘れろって何?あんなことされて忘れられるわけないだろ。
何?メッセージで謝って満足した?写真剥がして、忘れられんのかよ」
「違っ…」
「あぁ、そっか。それだけで忘れられないから翼冴とキスしてたのか」
イライラが収まらない。
こんな言い方したい訳じゃないのに。
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