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86 これから
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「あ、壱椰じゃん!すっげぇ久しぶりじゃね?もう大丈夫なのか?」
「この間連絡したのに既読もつけねぇから!休学してたならそう言えよ!」
「え?」
「え?じゃねぇっつーの!」
「慧都…」
チラッと、壱椰は僕の方を見た。
「ん?良かったね、復学できて」
ニッコリ笑って言うと、壱椰は呆れ顔で息を吐いた。
壱椰は大学に復帰した。
数ヶ月休んだことで、出席が必須だった講義はいくつか落としてしまった。
それについて謝ったら、何を今更と笑い飛ばされた。
本人的には留年さえしなければ良いらしい。
「あ、翼冴…」
「二人とも良かったな!俺完全に当て馬じゃん」
「ごめ…」
「謝るなよ。壱椰、慧都のこと泣かすんじゃねぇぞ」
「は?」
「いや、どっちかっていうと啼かせるのは僕の方「ちょっと慧都黙って?」
「ははっ、良かった慧都」
「……うん」
「慧都が素直…」
「今の僕は幸せだからね」
そう言ったら壱椰は照れたように笑った。
こんな風に笑い合える日が来るなんて、あの時は思ってもなかった。
「壱椰」
僕が声をかけると壱椰は首を傾けた。
「好きだよ」
耳元で囁くと、壱椰は僕の耳元に口を寄せ、
「俺も」
と優しく囁いた。
END
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