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27 (R18)
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ツグト君はいつもより丁寧に、オレの全身に触れた。
まるで存在を確認するかのように、足の爪先から頭のてっぺんまで丹念に触れ、キスを落としたり舐めたりした。
「お前はキレーだな、ルーク……」
掠れた声で囁かれ、あちこちに指を這わされる。
手首を舐め、手のひらにキスして、それから指先を甘噛みされると、それだけでぞくっと背筋が痺れた。
今まで何度も肌を交わして来たけど、こんな風にじっくりと全身を愛撫されるのは初めてだ。オレも負けずに彼に触れようとしたけど、快感に踊らされて思うように続かない。
たちまち喘がされて転がされ、うつ伏せに寝かされる。背中に手を這わす手も、丁寧で優しい。
「は、あ……」
気持ちよさに声を漏らし、幾つものクッションに顔をうずめる。
肩甲骨の周りをべろりと舐められた時は、無意識に「んんっ」と声が出た。オレの反応にふっと笑みを漏らしつつ、ツグト君がその手で腰を撫でる。
「気持ちイイ?」
「ん……」
静かな問いに応えると、「そーか」って静かにうなずかれた。
彼がどんな顔してるのか、振り返る余裕は貰えない。尻を揉まれ、そこにも顔を寄せられて、思わずびくんとしてしまう。
「ふあっ、ダメっ」
上ずった声で言ったけど、ちっともやめて貰えない。尻の谷間に舌を這わされ、「あああっ」ってたまらず悲鳴を上げる。
「やっ、ちょっ、汚いでしょ……っ」
カアッと頬を熱くしながら逃げようとしたけど、強い手に掴まれて、逆に腰を上げさせられた。
「さっき風呂で洗っただろ」
そう言われればそうだけど、そういう問題じゃない。恥ずかしい。
「それに、お前に汚ぇトコなんかどこにもねーよ」
宥めるような静かな声。ふっと笑う気配。そこに自嘲が滲んでる気がして、ハッとする。
「お前はキレーだ。体も心も、オレが惹かれた真っ白なままだ」
「そ……っ」
そんなことないと思ったけど、それ以上は口にできなかった。割り裂かれてあらわにされた秘所に温い息がかかり、ざらりと舌が這わされる。
「あっ、やっ」
入り口をつつくように舐められ、前にもやわやわと触れられると、何も考えられなくなる。
「はっ、待って、あ……っ」
うわ言のように頼んだけど、それが叶えられることはなかった。香油をまとった指がつぷりと挿れられて、ゆっくりソコを拓かれる。
そうしながら、また腰や背中にいくつもキスを落として来るの、気持ち良過ぎて降り払えない。
「ツグト君っ」
たまらず彼の名前を呼ぶと、「フルネームで」って頼まれた。
「ナギサワ、ツグト」
教えられた彼の名前を、厳かに口にする。勿論、それでツグト君がここに封じられることはない。でも鎖骨の下の痣がピリッとするから、ツグト君の方も何か感じるものがあるのかも。
「ナギサワ=ツグト」
もっかい名前を呼ぶ。「ああ」って返事が返る。ぴりっとした痛みに浸る間もなく、奥に埋められた指に内壁を辿られる。
強く感じるトコに触れられると、「ああっ」って高く声が出た。
「可愛いな」
くくっと笑う気配にじわじわ顔が赤くなる。
オレが可愛いんじゃない、ツグト君が喘がせてるんだって、言いたいけど言えない。指が引き抜かれ、代わりに熱く固いモノがそこに押し当てられて、衝撃の予感と期待に息を呑む。
ああ、来る、と思った。
その予想は裏切られずに、ずずっと巨きなモノが挿って来る。
「あっ、あああっ」
痛くもないのに、反射的に声が出た。胸がいっぱいで、叫ばずにはいられない。
「ツグト君っ」
ずぶずぶと奥までオレを貫き、ツグト君が「ああ」って短く答える。
背中越しにぎゅっとオレを抱き締める強い腕。気持ちよくて幸せでため息が漏れて、胸の中に熱い思いが満ちて来る。
ああ、好きなんだって思った。
オレ、ツグト君が好きだ。
ゆっくりとオレを穿ちながら、ツグト君の大きな手がオレのアゴに添えられる。導かれるまま背中越しに振り向くと、予想通りに貰えるキス。
「あ……」
舌を受け入れるべく口を開き、上擦った声を漏らす。
けどそんなキスも長くは続かない。間もなく揺さぶりが強くなり、激しく腰を打ち込まれ、ひたすら翻弄され始める。
ミシミシとリズムよく鳴るベッド。同じリズムで啼かされるオレ。
「あ、あっ、あっ、んっ……」
声が恥ずかしいなんて、口を閉じる余裕もない。クッションに縋りつき、白いシーツに爪を立てる。
がくがくと視界がぶれ、揺さぶりの強さと快感に溺れる。
「あっ、んっ、ああっ」
「ルーク……」
喘ぐままのオレの耳に、ひそりと落とされる彼の声。
これは「対価」かも知れない。泣いてたオレを慰める行為なのかも知れない。互いに子孫を残せない同士、傷を舐め合ってるだけなのかも。行き場のない感情を、発散させてるだけかも知れない。
でも、オレは今幸せだ。
「好き……」
胸に満ちた感情のまま、素直な思いを口にする。
ツグト君はそれに応えなかったけど、耳の後ろにキスをくれた。
肩と腰を掴まれ、片方の足を回されて、繋がったままで体勢を変えられる。向かい合った格好になってから、また更に揺さぶりが強くなった。
広い背中に腕を回し、ぎゅっと彼にしがみつく。
「好きっ」
もっかい告げるとすかさず顔を寄せられて、乱暴なくらいにキスされた。舌を強く吸われて呻き、ずんずん奥を突かれて喘ぐ。
ふっと笑う気配に目を開けると、ツグト君が真上からオレを見下ろしてて――皮肉気に唇を歪めた笑みが、なぜか泣きそうな顔に見えた。
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