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朝に食事をした街から休まずにラルクを走らせ、太陽が真上に登った頃に、小高い丘の大きな木の陰で休憩をした。
休まずに進む予定だと言ってたけど、俺の疲れが酷く、レオナルトとナジャが心配して休憩を取ったのだ。
ラルクとナジャの馬に草を食ませ、俺とレオナルトが大きな木の根元で、ナジャが少し離れた小さな木の側で、パンに野菜を挟んだ物を食べた。
俺は2、3口、口に入れると、小さく溜息を吐く。そんな俺の様子に気づいたレオナルトが、「大丈夫か?」と聞いてきた。
「うん、大丈夫…」
昨夜からずっと移動をしてきたから、とても疲れた。
でも、俺を憂鬱にさせているのはそれだけではない。
アルファムがライラを抱いたかもしれないということ、アルファムに酷く扱われて辛かったこと、そして、その時に裂けた箇所が、長く馬に揺られたことで、とても痛むことだ。
一度下ろした腕を上げてパンを食べようとしたけど、ジンジンとする傷の痛みが不快で、ついにはパンを置いて、俺はその場に寝転んだ。
「カナデ?どうしたのだ。やはり気分が悪いのか?」
「ん…、大丈夫。少し休めば楽になるから…」
まさかレオナルトに、『お尻の穴が痛い』とは言えない。
そんなことを言ったら、絶対に下を脱がされて、前のように手を当てて治癒を施すとか言いそうだ。
だから、心配そうに俺の背中を撫でるレオナルトの手に身を委ねて、無言で静かに目を閉じた。
「カナデ…、顔が熱い。熱が出てきたのではないか?」
「ん…っ」
俺の頬を撫でるレオナルトの手が、冷たくて気持ちがいい。
俺は薄く目を開けてレオナルトを見ると、気になっていたことを尋ねた。
「ねぇ…レオン。レオンみたいな王様や王子って、そんな頻繁に他国でフラフラしてるものなの?」
「フラフラ…。ああ…、たぶんあいつ、バルテルは、父王に言われて各国を見て回って勉強してるんじゃないか?俺はまあ…、ずっと王城にこもってるのが苦痛でな。時々城に影武者を置いて、数人だけ部下を連れていろんな国へと出かけているのだ。今回はたまたまエン国へと来たのだが…。来て良かった。カナデと会えたからな」
「はあ……」
ーー確か、アルも同じようなことを言ってた気がする。もしかして、アルとレオンって似てる?
ふいに可笑しくなって、ふふ…っと笑ってしまう。途端に裂けた傷がピリリと痛んで、思わず小さく声を上げた。
「あ…っ!」
「カナデ?やはり腰が痛いのか?」
「いや…腰じゃないし…。てか、なんか暑くない…?」
「おまえ…顔が赤いぞ…。ナジャ!カナデが熱があるようだ。熱冷ましを持っているか?」
「はい。ここに…」
レオナルトが立ち上がり、こちらへ来るナジャの方を向いた瞬間、強い風が吹きつけて、俺の身体が空高く巻き上げられた。
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