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サッシャが口を尖らせて、笑う俺をギロリと睨む。
「むぅ…。カナデが聞いてきたから答えたのに、なんで笑うんだよ…」
まだまだ子供っぽいその様子に、俺は笑いながら謝った。
「ごめんごめん、可愛いなぁと思って。…あ、そうだ。これ…聞いていいのかな?リオがさ、サッシャは男に抱かれる側だ…って言ってたんだけど…。ほんと?」
少し顔を伏せて、下から伺うようにサッシャを見る。
サッシャは、澄ました顔で「うん、そうだよ」と頷いた。
「え!ほんとに?へぇ…そうだったんだ。なんか、俺と同じで嬉しい…ていうか…」
「そうだね。カナデと同じだよ。俺は男の人が好きで、どちらかと言うと抱かれる方がいいんだ」
「…恋人が、いるの?」
「いるよ。まだ父王には言ってないけど、カナデも知ってる人」
「え?誰だろ…」
「ふふ、ミケだよ」
「へぇ…、ミケかぁ。……えっ!ミケっ!?」
父王にも言ってないという秘密をサラリと口にしたサッシャを、俺はまた目を大きく見開いて見た。
「そ、そうなんだ。ミケかぁ。うん、ミケはかっこよくて頭も良さそうだし、可愛らしいサッシャとよく似合ってるよ」
「そう?ありがとう。ミケはそれだけじゃなく強いんだよ。俺が物心ついた頃から世話係として、いつも傍にいたんだ。最初は兄みたいに思ってたんだけど、すぐに憧れの人になって大好きになってた」
「うんうん、いいね。それに優しそうだしね」
「そうなんだ。でも、俺が王子だから優しいんじゃなくて、ミケは、下の者へも分け隔てなく優しいんだよ。それに、優しいだけじゃなくて、ダメな時はきちんと怒る。そういう所も好き」
「そ、そっか…。サッシャって、結構惚気けるんだね…。まあ、人の幸せな話って好きだからいいけど。で、いつから恋人なの?」
俺は、目をキラキラとさせて、食い気味に聞く。
アルファムにしろレオナルトにしろ、基本王族は恥ずかしがることがない。
それはサッシャも同様みたいで、照れることも無く素直に語ってくれた。
「半年前に、父王に『外を見て来い』と国を出されたという話はしただろ?その時に一緒に旅をしている途中で、ミケが好きだと言った」
「ド直球…」
「え?なんか言った?俺、困るとか俺の気の迷いだとか言われるかなぁ…と思ってたんだけど、ミケが『俺も好きです。大切に思ってます』って言ってくれたんだ。もうすっごく嬉しくてさっ。他の国を見て回るの面倒臭いって正直思ってたけど、その日から毎日が楽しくて楽しくて!今は、どんなことがあっても、ミケが傍にいる!と思うだけで楽しいんだ」
幸せそうに笑うサッシャは、とても綺麗だ。
まさしく、この明るい日の国の王子にぴったりだと思った。
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