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シアンが「とりあえず座りましょうか」と俺とアルファムにソファーを示す。
俺は、アルファムの腕を引っ張ると、並んでソファーに座った。
ソファーに座っても、俺はアルファムの腕を掴んだままで、下から顔を覗き込む。
きっと、俺は目をキラキラとさせていたんだろう。
渋い顔をしていたアルファムが、ふっ…と表情を緩めて笑った。
「おまえのそんな嬉しそうな顔を見てると、頭ごなしに否とは言えないな。前にも聞いたが、カナは、本当に俺との子が欲しいのか?」
「欲しい!すっごく欲しい!さっきの話からすると、男でも産めるんだろ?」
「まあな。俺はなるべくならこのことをカナには知られたくなかった」
「なんで…っ?」
上がっていた気持ちが、一気に叩き落とされた気がした。
俺は、ぽろぽろと涙を流しながら、アルファムに詰め寄る。
「アルはっ、俺との子供は欲しくないのっ?やっぱり子供は女の人との間がいいの…っ?」
「泣き虫め。バカなことを言うな。俺が欲しいのは、カナの子供だけだ」
「じゃあっ、なんで子供が産めること、教えてくれなかったの?」
アルファムは、少し寂しそうな顔をして、大きな手で俺の涙を拭く。
「教えると、おまえが産むと言うことがわかっていたからだ。俺はおまえとの子が欲しいぞ?だが抵抗がある。…それに、俺はおまえさえいてくれれば充分幸せなのだ」
「抵抗って…。やっぱり俺が男だから?」
アルファムが、俺を抱き上げて自分の膝の上に乗せる。
俺は、アルファムの胸に顔を押しつけて、アルファムのシャツで涙を拭いた。
優しく俺の髪の毛を撫でるアルファムの手が気持ちいい。
いつの間にか部屋の外に出ていたらしいシアンが、トレイに飲み物を乗せて戻って来た。
「そうだ。おまえが男だから、躊躇っていたのだ」
「え…」
ビクン!と揺れた俺の身体を、アルファムが強く抱きしめる。
「勘違いするな。最後まで聞け。カナ、この世界には、魔法があるだろう?」
「うん…」
「魔法の力は無限だ。簡単に出来る訳では無いが、男の腹に子供を宿す袋を作る薬を、魔法で生成することが出来る」
「えっ、すごい!そんなことが出来るの?」
「数が作れない物だから、とても高価だ。だが、本当に子供が欲しい男同士の夫婦は、頑張って働いて、その薬を使って子供を作る者もいる」
「あ…!アルは高価な薬だから躊躇っていたの?」
顔を上げると、アルファムが、目を大きく開いた後に、ふっと笑った。
「馬鹿者。俺を誰だと思っている。この国の王だぞ。そんな薬など幾らでも買える」
「え…じゃあ何で…」
「カナ、今から話すことは心して聞け。いいな?」
アルファムの真剣な表情に、俺は深く頷いた。
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