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夕食の後、昨日と同じようにアルファムと泉の水に浸かると、部屋に戻って子胞薬を飲んだ。
そしてベッドに上がり、アルファムの腕の中で目を閉じる。
「おやすみ、カナ」
「うん…おやすみ…」
アルファムに髪の毛を撫でられて気持ちよくなり、眠りに落ちそうになって、慌てて瞼を持ち上げる。
「いやいやっ、おやすみじゃなくてっ。アル、今日はしないの?」
アルファムを見上げて、少し唇を突き出す。
その突き出た唇にキスをして、アルファムがまた俺の髪を撫でる。
「しない。濃い子種をカナの中に注ぐために、数日は我慢だ」
「こ、濃い…って…。わかった、俺も我慢する。赤ちゃんが出来る確率を上げたいもんね」
「カナが腕の中にいるのに我慢するのは辛いが、仕方ない。十五日後には抱き潰すから覚悟しておけよ?」
「え…こわ…。う、うん、わかった。それまでには、様々なことを覚悟しておく」
アルファムを見つめて、力強く頷く。
「よし。寝不足も身体に悪いからな。十五日後に備えて、たくさん寝ろ」
「アルもだよ。アルがたまに夜中に起きて、仕事をしてるの知ってるんだからな!」
「…そっと起きたつもりだったが、起こしてしまってたのだな。悪い」
「俺は別にいいの!アルは日中も忙しいんだから、夜ぐらいはしっかり寝ない…と…」
「どうした?」
俺は一度俯いて、ハッと気づいて再びアルファムを見る。
「アル…夜中に仕事してたのって、もしかして…俺のため?日中、俺と過ごす時間を作るために…」
「まあ…そうだが、どちらかというと俺のためだ。俺がカナと日中過ごしたいから、夜中に仕事をしていたのだ」
「ごめん…。前に俺が、『毎日少しでいいからアルと二人で過ごす時間が欲しい』って言ったから…」
俺は、アルに迷惑をかけてたんだ…と泣きそうになる。
情けない俺の顔を覗き込んで、アルファムが「なんて顔をしてる」と笑う。
「カナ、俺は体力がある。睡眠もカナの半分程で事足りる。実際、カナと出会うまでは、今よりもずっと少ない睡眠だったぞ。だからカナは何も気にすることはない」
「…ほんと?」
「本当だ。だがカナは、俺よりも身体が小さいし体力もない。だから俺を気にせずたっぷりと寝てくれないと困る。特にこれからは、カナの身体に計り知れぬ負担がかかることになる。出来れば一日中寝ていて欲しいくらいだ」
「一日中はさすがに無理だけど…。わかった。いつもアルが忙しそうなのに遅くまで寝てて悪いなぁと思ってたけど、寝たいだけ寝るよ?いい?」
「ああ。俺はカナの寝顔を見るのも好きだからな」
アルファムが、俺を抱きしめて顔中にキスを落とす。
ああ…俺はなんて幸せなんだろう、とキスを受けながら、そっと目を閉じた。
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