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上手く子供が出来なかったことにショックを受けたからか、食事が喉を通らなくなった。
アルファムがすごく心配をしていたけど、俺は寝てれば大丈夫だからと、数日ベッドの上で寝て過ごしていた。
そしてご飯が食べられなくなってから五日経ったある朝、目覚めて起き上がろうとして、いきなり吐いた。急に胃がせり上がってきて、ベッドの上に吐いてしまった。
ケホケホと苦しんでいると、職務で部屋を離れていたらしいアルファムが戻って来た。
俺の様子を見るなりとても慌てて、隣の俺の部屋のベッドに運んでくれた。
「すぐに医師に見せたいが、シアンと出掛けていて今は不在だ。医師が戻ってくるまで我慢出来るか?」
「…うん、大丈夫だよ。アルのベッド…汚してごめんね…」
「そんなこと気にするな。今は休め。俺に出来ることはないか?こうしていれば、少しは楽になるか?」
青ざめた顔で、アルファムが俺の手を握りしめて背中を優しくさする。
起き抜けに吐いて驚いたけど、苦しいとかはない。ただ、気持ちが悪いだけだ。
「カナの手…熱いな。熱があるのかもしれない。リオに薬を持って来させよう」
「アル…、薬より水が飲みたい。あと果物とかなら少し食べれると思う…」
「わかった。持って来させる。少し待てるか?」
「ふふ…そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「ああ…そうだな」
俺が笑うと、アルファムは少しだけ安堵した顔をする。
でも、持って来させると言いながら、慌てて部屋を出て行ってしまった様子を見てると、かなり心配をかけさせてるみたいだ。
ーーアルの慌てる姿なんて珍しい…。
アルファムの出て行った扉を見つめながら、急激に眠くなった俺は、アルファムが戻って来るのを待たずに目を閉じた。
俺はひたすら眠った。
時々アルファムの声が聞こえた気がしたけど、そのまま眠り続けた。
だって、すごく眠いんだ。
何度目かの声をかけられて、俺はようやく重い瞼を開けた。
それでも眠くて、閉じてしまう瞼を必死で開ける。
「カナ、大丈夫か?医師が戻って来たから診てもらおう」
「…うん」
もし子供が出来た場合に、出産まで診てもらう予定だった医師に、診察してもらった。
医師は、俺の様子を聞き、慎重に触診をしていく。触診が進むにつれて、医師の顔が険しくなる。
俺は、上手く子供が出来なかったことによるショックで体調を崩したんだと思っていた。
だけど、医師の様子からして、もしかして悪い病気だったりするのかな?そのせいで、子供が出来なかったのかな?と悪い考えが浮かぶ。
俺は緊張でドキドキとしてきて、ベッドの端に腰掛けるアルファムの手を握った。
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