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アルファムとの子供が出来たと聞いて、とても嬉しくて幸せな気持ちになった。
だからといって、一気に体調が良くなったりはしない。
トイレに行こうと起き上がれば吐き、お腹が空いたからと食事を摂れば吐くを繰り返した。
吐く度に軽い脱水症状を起こして疲れるので、しばらくは充分な水分と好きなプリンと果物だけを食べることにした。
妊娠がわかってから十日ほどは、トイレと風呂以外は寝て過ごした。
だけど、寝てばかりだと体力が落ちてしまい、このままでいいのかと不安になる。
なので、アルファムやリオが暇な時に、俺の大好きな中庭まで一緒に散歩をしてもらうことにした。
昨日はリオで、今日はアルファムに手を引かれて中庭に行く。
途中、何人かの使用人に会ったけど、アルファムに手を引かれてのろのろと歩く俺を見ても、誰も不審な顔をしない。
たぶん、俺がアルファムに抱き潰されたからだろうと思われてるに違いない。
それはそれで恥ずかしいのだけど、俺のお腹に子供がいることは極秘裏なので、そう思われていても仕方がない。
泉が見える位置にある花に囲まれた椅子に並んで座る。
アルファムが、俺の肩を抱き寄せて髪を撫でる。
「大丈夫か?気持ち悪くないか?」
「大丈夫だよ。こうやって誰かと話してると気分が楽なんだ」
「そうか。俺が常に話し相手をしてやりたいのだが、王としてやらなければならぬことが山積みでな…。すまない」
「え?何謝ってんのっ。アルが夜遅くまで仕事して俺との時間作ってくれてるのわかってるよ?今みたいに空いた時間にこうして一緒にいてくれるだけで充分だから。それに、最近は少しは食べられるようになってきたから、元気だよ?」
「本当か?最近痩せてきたから心配だ…」
「痩せてちょうどいいんだと思う。俺、聞いたことあるもん。妊娠中って、普段通りに食べてると倍の勢いで太るって。今は吐いちゃってあまり食べられないけど、これから食べられるようになるとすごい勢いで太るんだよ、きっと」
俺は、元気な時は結構食べてた方だと思う。
赤ちゃんの為だとしても、同じようにバクバク食べないように気をつけなきゃ。
アルファムが、俺の頬を摘みながら笑う。
「太っていいぞ。ころころとしたカナも可愛いだろうな」
「嫌だ。絶対に太らない」
俺は即座に否定する。
ころころと太った俺が、程よい筋肉のついたアルファムやシアンやリオの隣に立つ姿を想像すると、とても居た堪れない気持ちになる。
今はあまり食べられないからとプリンや甘い果物を多量摂取してるけど、ちゃんとしたご飯が食べられるようになったら摂生しようと固く決意した。
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