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俺は医師の言いつけを守って、本当に安静にして過ごした。
トイレに行くのも歩かずに、アルファムやリオに運んでもらった。
お風呂もアルファムが俺の身体を洗ってくれた。
真剣な顔で洗ってくれるアルファムを見て、『王様に洗ってもらってる俺すごい!』と感動さえした。
アルファムに大事にされて過ごしたので、半月程経つと、医師からもう大丈夫だと動いてもいい許可が降りた。
「安定してきましたので、少しくらい散歩されても大丈夫でしょう」
「ほんと?良かったあ。ありがとうございます」
「もう一人で無茶をしては駄目ですよ?アルファム様をお供に散歩して下さい」
「うん。この国で一番強い護衛だね」
「任せろ。誰もおまえに指一本触れさせない」
「お二人は本当に仲がよろしい。お腹の子も、ご両親の仲が良い様子をわかってますよ」
「え?そうなの?えへへ…アル、わかってるんだって」
「そうか。なら、俺がカナの一番だとわかってるな。我が子といえどもカナを渡すわけには…」
「ちょっ、ちょっと!なに自分の子と張り合おうとしてんの?だめだよ。アルも子供も俺の一番だからっ」
「む…ぅ」
「もう…、アルが子供みたいだ」
医師が、ふふっと笑って俺を見て、何かに気づく。
「カナデ様。お腹が痒いのですか?」
「え?」
そう言われて自分のお腹を見る。どうやら俺は、無意識にお腹を搔いていたようだ。
「あ…うん。痒いっていうか、なんかお腹がポコポコと変な感じがする…」
「ああ。それは子の手や足が、カナデ様のお腹を押してるからですよ。ほら、可愛らしい感触がするでしょう?」
「えっ!子供の…っ?」
俺は、お腹に神経を集中させる。
確かに手足が当たってるような気がしてきた。
ーーそうか…。俺のお腹の中に、確かに赤ちゃんがいるんだ…。
体調の変化で、赤ちゃんがいることはわかっていた。だけど、いまいち実感が湧いてなかった。
今、赤ちゃんが俺のお腹に触れているとわかって、すごく感動している。
「アル…赤ちゃん動いてるよ…」
「どれ」
アルファムが、大きな手を俺のお腹に当てる。
「…よくわからんぞ」
「ふふ、そのうちわかるようになるよ。嬉しいな。ここに本当にアルの子供がいる…」
「カナ、また泣くのか?」
「うん、泣く。だって嬉しいもん」
「おまえが泣き虫なんだと、子に知られてしまうぞ」
「いい。これは嬉し泣きだから」
「ふっ…、おまえは可愛いな」
アルファムが、俺にキスをして、次に俺のお腹にもキスをする。
その行動がとても嬉しくて、やっぱり俺は泣いてしまった。
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