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アルファムが、時間をかけて俺の肌にキスを落としながら泉の水を当ててくれたので、ようやく痛みが引いた。
赤味も少し薄らいできた。
「アル、痛くなくなった」
「そうか。でもここは赤いぞ」
「んあ…っ、ばかっ…」
アルファムが意地悪く笑って、俺の乳首を舐める。
「もうっ、そんなことされたら変な気分に…」
「失礼します」
アルファムの頭を掴んで離そうとしていると、シアンの声がして扉が開いた。
俺は、慌ててアルファムの頭を離そうとするけど、アルファムが俺の背中を抱き寄せて離れようとしない。
シアンは、一瞬目を見開いたけど、すぐに微笑んで、ベッドの傍に来た。
「元気な様子を見て安心しました。泉の水で、ずいぶん治りましたね。仕上げにこちらを塗っておきましょう」
シアンは慣れたもので、俺の胸を舐めるアルファムには全く動じずに、容器の蓋を開けてこちらに差し出した。
それを、渋々という風に顔を離したアルファムが受け取る。
「カナ、腕を出せ」
「う、うんっ…」
アルファムに両腕を出しながら、赤く尖ってしまった乳首が恥ずかしくて堪らない。
早くシャツを着たいと、腕が塗り終わると、急いで背中を向ける。
「どうやら、そんなに深くはなかったようですね。綺麗に治るでしょう。しかし、まさか呪詛の魔法を使うとは…。アルファム様、ローラント様を呼びますか?」
「そうだな。カナに薬を塗り終わる頃に、ここに来るように呼んでくれ」
「かしこまりました。では後ほど」
シアンが一礼をして出て行く。
しばらく無言が続き、薬を塗り終わるとアルファムがそっとシャツを羽織らせてくれる。
「アル、俺の背中どう?」
「かなり良くなったぞ。明日には治ってるだろう」
「よかった。ありがとう」
「ああ。もうどこも痛くはないか?」
「うん、大丈夫。…でも、魔法で呪詛なんて出来るんだね。知らなかった…」
「呪詛は高等魔法だ。誰でも出来る訳ではない」
「炎と同じで、位の高い人だけが使える?」
「そうだ。だが、それだけ強い魔法を使うと、必ず自分に跳ね返りがくる」
「跳ね返り?」
「相手にかけた呪詛の倍の力が、自分に戻って来るのだ」
「え?じゃあ呪詛の魔法を使ったベアトリクスさんは…」
「今頃、跳ね返ってきた魔法で大変なことになってるだろうな」
「そんなっ!…自分も無事じゃいられないのに、なんで呪詛なんか…」
「さあな。人を呪う奴の気持ちなどわからん」
俺のシャツのボタンを留め終わると、アルファムがそっと俺を抱き寄せた。
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