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機嫌が良かったカエンが、忙しなく手足を動かし始めたので、俺とカエンを残して皆には部屋から出てもらった。
そしてベッドに腰掛けて、カエンに乳を吸わせる。
寝る前にもたっぷりと飲んだはずなのに、すごい勢いで吸いついて飲んでいる。
カエンの強い吸引で、泉の水で治した箇所が、また切れて痛い。
俺は、思わず「いたっ」と声を上げた。
すると、カエンが飲むのを止めて、不思議そうに俺を見た。
「あ、ごめん。何でもないよ?ほら、いっぱい飲んで」
「うー」
カエンが口を離したので、今度は反対側を吸わせる。
再びすごい勢いで吸いつきながら、カエンの小さな手が吸ってない方の乳首に触れる。
大人よりも体温の高いカエンの手の温度が、切れてじんじんとする傷に気持ちいい。
カエンは、少しするとすぐに瞼がとろんと落ちて、口を離して眠ってしまった。
「ふふ、可愛い」
俺は、カエンのぷにぷにとした頬にキスをすると、そっとベッドに降ろして顔を見つめた。
「よく飲むから、むちむちとしてきて可愛い。よく寝るし、ほんといい子…」
小さく呟いて、シャツのボタンを締めようとして、はっと気づく。
「あれ?痛く…ない?」
最初に吸わせた右側の乳首が切れて痛かったのに、今は全く痛くない。
いつもなら、切れて血が滲んでいるのに、赤くもなっていない。
触ってみても、痛くない。
というか、切れた傷がない。
ーーえ?確かに痛かったよ?治ったの?なんで?
何度触って摘んでみても、やっぱり痛くない。
俺は首を傾げて、すやすやと眠るカエンを見つめた。
ーーさっき、カエンの手が触れて温かかった。え?もしかして……カエンの治癒能力?炎の力を使った?こんなに小さいのに?
そういえば、アルファムが『この子は力が強そうだ。それに、魔法の才もある気がする。早くに炎を使えるかもしれんな』と言ってた。
もしかして、本当に?こんなに小さいけど、もう使えるの?
俺は驚いて感動して、カエンの固く握りしめられた小さな手を、指先でそっと撫でて呟く。
「…カエン。君は炎の国で一番の力を持つ者なのかもしれない。その強い力を、自分の幸せのために…大切な人のために…炎の国の民のために使って欲しい。どうか、強くて優しい男に育ちますように…」
俺の声に反応したのか、カエンが「んんっ」と身体を伸ばした。
そして、とても可愛くて笑った顔を見て、俺の胸が幸せで満ちて、その柔らかく甘い匂いのする身体を優しく抱きしめた。
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