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レオナルトは、三日間滞在して帰って行った。
帰り際に「日の国の王子から連絡があったか?」と聞かれた。
「え?いや?何かあるの?」
「そうか。もしかすると、カナデの王子誕生の知らせを受けて、この国へ来る準備をしているのかもな。その時に話すつもりか…」
「サッシャ来てくれるの?ていうか、何の話かすごく気になる…」
「俺からは何も言えん。まあそのうちに連絡があるだろう。じゃあなカナデ。元気で。落ち着いたらまた遊びに来い」
「うん。レオンも元気で」
「エン国王にも、益々の国の発展を祈る」
「水の国の発展も祈る。だが、カナは当分遊びには行かんからな」
アルファムがレオナルトを睨みつけ、レオナルトも険しい顔でアルファムを睨んで去って行った。
相変わらずの二人のやりとりに慣れてしまった俺は、レオナルト一行の姿が見えなくなると、アルファムの手を引いて城の中に入った。
部屋に戻ると、カエンが自分の握りしめた手を見て遊んでいた。
一生懸命何かを喋りながら一人で遊んでいる様子を見て、俺は堪らなくなってカエンが寝るベッドに飛びついた。
俺の姿を認めたカエンが、ふにゃりと笑う。
「カエン~!一人で遊んでたの?偉いねっ、可愛いねぇっ」
「あっ、うー」
俺は、ベッドに上がってカエンの傍に行き、頭を撫でて柔らかい頬を優しく突く。
カエンが、手足を激しく動かしたので、俺はカエンを抱き上げてベッドから降りた。
「カエンは本当に賢い。アルもそう思わない?」
「そうだな。おまえの傷を無意識ながらも治したそうだし、力も強い。だが、その力を正しく使う様に導いてやらねばならぬ」
「うん、頑張る。アルは力の使い方を教えてあげて」
「もちろん。しかし、カエンおまえ…カナの乳を飲みすぎではないか?丸々としてるではないか。逆にカナは痩せてきてるし…」
アルファムが、指先でカエンの小さな鼻をチョンと触る。
途端にカエンが怒って、「うー」と声を上げた。
「…おまえ、短気だな。カナに似れば優しい筈なのに」
「アルに似たんだね。短気なところは」
「カエン、すぐに怒ってカナを困らせるんじゃないぞ」
「大丈夫だよ。アルで慣れてるから」
「それはどういうことだ?」
カエンの鼻を撫でていた指で、アルファムが今度は俺の頬を突く。
俺が「もうっ、やめてっ…」と笑いながらアルファムの指を噛んでいると、部屋の隅から咳払いが聞こえた。
「あれ?リオいたんだ?」
洗濯物を畳んでいたらしいリオが、折り畳んだシーツやカエンの服を持って、顔をひきつらせている。
「ええ、いましたよ。最初からずっといましたよ。カエン様の子守りをしてましたからね。カエン様が大人しく遊び始めたので、乾いた洗濯物を畳んでいたのですよ。そうしたらあなた方が戻って来られて、家族三人でいちゃいちゃとされてましたのでね…。俺はすごく疎外感を感じた…っ」
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