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両方の乳を飲んで満足したのか、カエンが口を離して大きなゲップをする。
そして手を顔の前に持ってきて遊び始めた。
俺はカエンを草の上に置いたマントの上に寝かせると、シャツのボタンを締めて腕を揉んだ。
「腕が痛い…。アルが言ってたけど、飲ませ過ぎなのかな。カエン、すごくむちむちしてるし重い…」
「カナ、終わったか?」
いきなり頭上から声がして、慌てて顔を上げる。
アルファムが、両手を腰に当てて、俺を見下ろしている。
「アル…っ、いつからそこにっ?」
「少し前だ。大丈夫だ。おまえの後ろ姿しか見えてない」
「う…ほんと?」
「本当だ。カナ、散策は後にして食事にしよう。皆も待っているぞ」
「うん」
俺がカエンを抱き上げようとすると、横からアルファムがひょいと抱き上げた。
「俺が連れて行く。おまえ、腕が痛いのだろう?最近のカエンは重いからな」
「まあ…ね。でもこのむちむちが堪らなく可愛い!」
「カナももう少し太ってくれ。今日はおまえの好きなぷりん?とやらも持ってきている。たくさん食べるといい」
「ほんとっ?ありがとう!何だかお腹が空いてきたっ」
「うむ。リオが来る途中から腹が減ったとぼやいていたからな。急ごう」
「うんっ」
俺とアルファムは、早歩きでローラントとシアン、リオが待つ場所へと向かう。
ローラントとシアンが笑顔で、リオが情けない顔で俺達を見ている。
アルファムと想いが通じ合った時、結婚式の時、カエンが産まれた時、その都度最高の幸せを感じていたけど、今が最高の幸せだ。
そしてこの最高の幸せは、この先もずっと続くんだ。
カエンを抱く反対側のアルファムの手を、俺はしっかりと握りしめて、アルファムと並んで力強く足を前に進めた。
番外編 芽吹き [完]
番外編 角(つの)ぐむ [序]
「カエン様!どこですっ?こんなことしてっ、後でアルファム様に怒ってもらいますからねっ!」
俺がアルファムに頼まれた書類をシアンの所へ届けて部屋に戻る途中、大きな声で叫ぶリオと会った。
「リオ、どうしたの?」
「あっ、カナデ…っ、聞いてよぅ。カエン様があっ」
「…何となくわかった。また悪戯した?」
「そうなんだよ!俺がっ、おやつに食べようと置いていたパンをっ、まっ黒焦げの炭にっ!」
「わかった。ごめんね、リオ。代わりのパンは俺が用意させるから。で、カエンはどこに?」
「俺の顔を見るなり飛び出してどっかに行った…」
「はあっ…、たぶんあそこかな。俺が見つけて注意しとく。リオは仕事に戻って。あ、あとアルには俺から話すから、黙っててくれる?」
「カナデがそう言うなら…。じゃあ任せたよ?」
疲れた様子で離れるリオの背中を見送って、俺はある場所へと向かう。
カエンは、すくすくと元気に育って、五歳になった。
しかし元気に育ち過ぎたようで、とんでもない悪戯っ子になってしまった。
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