アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
男を地下牢に入れて鎖に繋ぎ、応急の手当をする所まで確認して、すぐに俺は海辺の城に向かった。
今から飛翔馬で飛ばせば、遠回りをして向かっているローラントおじさんに、途中で追いつくかもしれない。
一人で向かうと言ったけどシアンに却下されて、護衛をつけられた。
俺は、同行する護衛二人に「遅れるなよ」と命じて、オルタナの脇腹を強く蹴った。
飛翔馬で丸一日かかる海辺の城までを、少しの休憩と仮眠を挟みながら、上空を急いだ。
翌日の昼を過ぎた頃に、あと少しで城に着くという所まで来た。そこで、ようやくローラントおじさんに追いついた。
俺は、前方におじさんの馬を見かけて更に速度を上げる。
「おじさん!」
おじさんの飛翔馬の横について声をかける。
「カエン?どうしてここに…!城は大丈夫なのか?怪しい男は来なかったのか?」
おじさんが、驚いた様子で大きな声を出す。
「来たよ。俺がやっつけて地下牢に閉じ込めてある。父さまのことが心配で堪らないから、シアンに後のことを頼んで追いかけて来たんだ」
「そうか、やはり来たか…。えっ?やっつけた?話に聞く限り、とても強くて危険な人物だと思ったのだが…」
「うん、強かった。でも俺の相手じゃなかったよ」
「ああ…まあそうだな。おまえは規格外に強いから…。城を壊さなかったか?」
「壊す前にシアンに止められた。だから大丈夫だよ」
「シアンはおまえのことをよくわかっているな。カエン、この先の城にもう危険はないと思うが、兄上が今、どういう状態なのかわからない。心の準備はできてるか?」
「…できてる。でも俺は、あいつが言ったことを信じない。父さまが無事なのかそうでないのかは、自分の目で確かめる」
「そうだな…。僕も兄上は無事だと信じたい。急ぐぞ、カエン」
「うん!」
眼下に大きな森が広がっている。
あの森を越えれば、海辺の城に着く。
俺とローラントおじさんは、逸る気持ちのままに馬の速度を上げて、森の上空を進んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
369 / 427