アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
挨拶
-
兄は、昔から僕を束縛する。
1人で外出すればあの部屋で束縛されるし、ひどい時には殴られたりもする。
それだけじゃない、他と人と話すと、拘束されてずっと放置される……
昔からそんな兄が怖くてたまらなかった。
でも、兄さんだけは助けてくれた。
僕の事、守ってくれた。
だから、兄さんの事は大好きです。
「咲斗、友達と普通に話しても大丈夫だよ、俺が助けてあげる。」
「兄さん……」
兄は、それを見て気に食わないのか、ずっと僕達を睨んでいた。
「ふざけんな、お前は俺の言う事だけ聞いてればいいんだよ、咲斗。」
「意味わかんない、馬鹿じゃないの?お前。」
「あ、あの……兄さん、僕なら大丈夫だから、お兄ちゃんも……「お前は黙ってて」っ……!」
怖い………
「咲斗の事いじめるなよ、このドクズ。」
「兄さん……さっきはありがと。」
「ううん、大丈夫!怪我とかない?」
「うん、兄さんのお陰だよ。」
「そっか、咲斗は可愛いなぁ〜!」
「も、もう……やめてってば。」
本当に、いい兄さん。
大好き………。
翌朝。
「おはよ、李咲……」
「おはよ!咲斗……昨日はごめんな、助けてやれなくて……」
学校では李咲だけが兄の事を知っている。
「ううん、兄さんが助けてくれたから大丈夫だよ。」
「そっか、良かった……俺、どうしてもあの先輩怖くてさ、目が。」
「あはは、わかる……僕も怖い。」
笑い話じゃないくらいに。
「あ、予鈴だ、またね、李咲。」
「おー」
席まで向かうと、隣には古都さんが座っていた。
いつもと変わらず、机に足を乗せて。
「あ、咲斗君じゃん、おはよー」
えっ
挨拶、された……?
人違い?
いや違うな、名前呼ばれたし……
え?え?
「お、はよ……?」
「なんで疑問形?ウケるんだけど。」
「あ、ご、ごめんなさい……」
この人、今まで挨拶なんてしてくれなかったのに………
李咲も気付いたのか、こっちを見て驚いてる。
まぁ、気分がよかったとか、そんな感じだよね?
怖いから散策したくない……。
「……」
休み時間。
「なー和樹、お前なんで朝秋葉なんかに挨拶してたんだよ」
「別に俺の勝手じゃね?視界に入ったから。」
「なんだよその理由ー」
(秋葉なんて、ただの陰キャだろ……それにあいつ、小学生の時………)
ーーー
草野 怜弥(くさの れいや)高1
古都の不良仲間。
咲斗と面識がある。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 4