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春。
桜舞う季節に、僕は高校入学を果たした。
クラスは1年A組。
みんなでワイワイとしている、楽しいクラスだ。
そしてうちの学年に一週間も経たないうちに、学校中で噂になった生徒がいた。
坂上楓。
容姿端麗で、勉強も運動もできるという彼は、噂ではうちの学校の特待生だとかなんとか。
事実であるかどうかは定かではないが。
まあ、僕としてはクラスも違うし、目立つのも好きじゃないから、少なくとも1年間は関わることはないだろうと思っていたんだ。
あの時までは。
あれは5月のことだ。
ゴールデンウィークで1週間ほど休みがあっての登校日。
勉強の苦手な僕は、課題が終わりきらず、提出が遅れて、放課後、先生に怒られた。
その後、とぼとぼと教室に戻っていると、僕のクラスの教室から走って出て行く女子生徒がいた。
すれ違った時に女子生徒の目に涙が見えたような気がして、気になって教室を覗き込んだ。
そこにいたのが、かの噂の坂上楓で。
思わず声をかけてしまったのが運の尽き。
「あ、の……」
「きゃあっ!」
「………………え」
きゃあ?
互いに目が合う。
坂上楓は口を塞いで、腰を抜かしたのか床に座り込んでいる。
女の子座りで。
「女の子、座り………………」
「!!!」
坂上楓は慌てたようにバタバタとしだす。
そして何事も無かったような顔で立ち上がり、僕の横を通り抜けようとした。
「いやいやいやいやいや!!!!???この状況で帰りますか、普通!?!?!?」
「っ、何よ!!!これ以上恥かかせないでよ!!!!!…………………………………………ぁ、」
「………………」
思わず腕を掴んでしまった。
そして決定的なものを聞いてしまった。
「え、オカマなの……?」
「違う!アタシはオネエ!!!!オカマなんて品のない呼び方しないでくれる!!???」
「アッ、スンマセ」
めっちゃ怒られた。
怒り方が、ぷんぷんというか、ぷりぷりという感じだ。
皆さん、噂の男子はオネエでした。
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