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放課後。
僕は文芸部に入っているので、部活にやってきた。
部室の扉を開ける。
「お疲れ様です」
「雪村くん、お疲れ」
挨拶を返してくれたのは、2年の先輩、柳原景人(やぎはら けいと)先輩だ。
文芸部は、うちの学校でも古くからある部活だ。
だが、年々入部希望者数は減っているらしく、今は僕と柳原先輩の他に1人の部員がいるのみだ。
しかも、その1人は僕と同じ1年で、4月に入部をしてから、1度も見た事がない。
「今日もいないんですね」
「ん?……あぁ、そうみたいだね。学校には来てるみたいなんだけど」
はぁ……、とため息を吐く柳原先輩。
曰く、先輩が入部した1年前は、文芸部は廃部寸前で、部員が先輩だけだったらしい。
そこに、今年は僕とそのもう1人が入ったため、先輩はとても嬉しかったみたいだ。
それなのに、実際に部活には僕しか来ないので、せっかく入ってくれたのに、と、少し寂しいらしい。
「そういえば、もう1人の奴って、名前はわからないんですか?」
「いや、知ってるよ」
「え!じゃあ、教室行って呼べばいいんじゃないですか?」
「う〜ん、それもそうなんだけどね。部活って別に強制じゃないからさ、もし無理矢理連れてこようとして退部するって言われちゃったら悲しいじゃない?」
困ったように眉を下げて笑う先輩。
そんな様子を見て僕は心が苦しくなった。
「僕、そいつに声だけかけてみます!名前だけでも教えて貰えませんか?」
「え、うん。いいけど……。ええと、その子の名前は……──────」
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