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この関係を30字程度で述べよ (ギャグ風味 幼馴染 高校生)
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「今日は一緒に帰れるんだよな!!!」
「ごめん、今日も委員会があって・・・」
「だ、誰よその女!!!」
「いいえ、義務です」
「義務なら仕方ないわw」
高校3年の夏に向かうこの時期。
俺はとある問題に直面していた。
さて本題に入る前にここで、俺と幼馴染の話をしておこうと思う。
脈略のなさは仕様だと思ってくれると助かる。
まず、俺。
八野 彰(やの あきら)。
高校三年生、生徒会書記。
好きなものは焼き鳥で、嫌いなものはテスト。
まあ、比較的どこにでもいる男子高校生である。
んで、幼馴染。
谷田部 祐(やたべ ゆう)。
高校三年生、帰宅部(サッカー部所属だったけど引退済み)。
好きなものはおにぎりで、嫌いなものはコーヒー。
同じく、特別どうこうという訳ではない男子高校生である。
まあ、少し顔と運動神経は良いけど。
頭はよろしくない、そんな感じで、神様が帳尻をとった結果の男である。
祐と俺は幼稚園から一緒で、家も近所。
気心のしれようは御覧の通りだ。
ちっさいころから一緒にいすぎて、多分距離感が麻痺ってきてる、そんな間柄だ。
そのせいで、この祐は『俺離れ』ができない、んだと思う。
仲良しとか通り越して、何だかもう好きとか嫌いとかそういう尺度では測れない関係なんだけど、故に。
祐は俺と一緒にいないと落ち着かないのだそう。
今までずっと一緒に登下校をし、休み時間もずっと一緒にいたわけで、それが当たり前となっていたわけで。
まるで酸素みたいにそこにいるわけで。
でも、いつまでも一緒というわけにはいかない。
俺にベッタリなのは別に嫌なのではないけど、もう大学生だ。
祐だって部活を引退して、受験組になってるハズだし、俺だって。
高校三年から生徒会なんかに入ってしまったもんだから、思った以上に急がしい毎日をお送りしているわけで。
ゴランノスポンサーのわけで。(ごめん、意味不明)
だから登校はともかく。
下校のタイミングが合わなくなってきたし。
少しずつ、一緒にいる時間が減ってきた。
それは寂しいことだ。
でも。
仕方ないことだ。
だって、そう。
俺たちが成長するのは『義務』なんだから。
だから。
義務なら、仕方ないんだろ・・・?
「・・・なぁんか、冷たいよな、お前」
「え」
祐の言葉に、カバンに筆記用具を詰めていた俺の手が止まる。
「ま、仕方ねーか。んじゃ、先帰るな」
「え、あ、うん・・・」
教室からあっという間に去っていった幼馴染の背を見送って、俺は。
・・・俺はとある問題に直面していた。
本当は俺が『祐離れ』できていないんだ。
だって、そうだろ?
帰れないのは決まっていることなのに、もう少しごねてほしいだとか。
もう少し話してほしいとか。
もう少し、一緒にいたいとか。
もう少し、名前を呼んでほしいだとか。
もう少し。
・・・家も近所で、出席番号も近くて。
だけど少しずつ遠くなっていく。
本当に離れなくちゃいけないのかな、なんて。
甘えたことを思ってしまう。
いつまでも一緒にいたいなんて。
付き合って数年の女みたいなことを思ってしまう。
祐は面白くて、明るくて。
俺以外の友達だっていっぱいいるくせに。
俺が一人にならないように、ずっと一緒にいてくれる。
俺の一番の友達であり続けてくれる。
俺を一番の友達だって言ってくれる。
だから何かを返したいのに。
本当は一人で帰る道が嫌いだ。
行きと同じ道のくせに、何だか余りにも静かで。
この世界に俺しかいないような気持ちになってくる。
祐に忘れられたら俺は。
この世界に存在しなくなるような気持ちになってくる。
俺にとって祐は幼馴染で、目標で。
憧れだった。
いつか祐みたいになりたいと思った。
だから生徒会なんて似合わないのに入ったんだ。
だから。
三度見した。
校門の外で、止まっている自転車にまたがって、馬鹿みたいに一人でそれを空漕ぎしている祐を。
「え、馬鹿なの?」
「え、冷たくね?」
馬鹿だ。
「ほら、終わったんだろ?一緒に帰ろうぜ」
「いや、先帰ってて良かったのに」
馬鹿だ。
「だって、お前いつも俺の部活終わるの待ってただろ」
「自転車空漕ぎとかしてないけど」
「それは別」
馬鹿だ。
「帰ろ帰ろ。6時前だし」
「2時間近くここにいたのかお前・・・」
「お前待ってる間に筋肉付いた気がする」
「謝れ、プロテインに(←?)」
馬鹿だ。
こんな男と一緒にいたいだなんて。
「この度はプロテイン、他、世の筋肉を愛する方々に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」
「よし」
願わなくとも、叶う夢もある。
愛や恋には遠く及ばない、恋より深い絆の話。
【ハナミズキ】
「durability(永続性、耐久性)」「love undiminished by adversity(逆境にも耐える愛)」「Am I indifferent to you?(私があなたに関心がないとでも?)」
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