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8 side三澄
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「なにをしてるのか聞いてる」
「お、俺たちは別になにも」
「ぁ、ああ、ただこいつと話してただけだ」
つらつらと碌でもない嘘をつくそいつらに嫌気が差してくる
「あの、俺人待たせてますし先輩たちの言っている事は本当です。」
そんななかこいつは平然とした顔で彼らの言う通りですとぬかす。
意味がわからない、襲われそうだったくせに
それでも本当に人を待たせてるらしく有栖はチラチラと時間を確認していた
「…有栖もそう言ってることだし、
今回だけはなかっとことにしてやる。お前ら次はないと思えよ」
そう言いきると二年の奴らは「はい!」と言って小走りでさっていった。
残った有栖は相変わらず読めない笑顔で「ありがとうございました」と礼を言ってくる
「いや一応仕事だからな。迎えきてるんだろ?そこまで送ってやる」
「そんな、すぐそこなので大丈夫ですよ」
変わらない笑顔で言ってくるこいつはやはり自分の容姿について自覚していないらしい。
今日だけでも有栖のことを話してる奴らを相当な数目にした。
「また絡まれたら面倒だろ」
そういうとたしかにと呟いて一緒に歩き出した。
「おまえああいう奴によく遭遇するのか?」
夕焼けに染まった道を歩きながらふとでた疑問を問う
「そんなことないですよ。いつもは柊達がいるので滅多に近づいてこないですね。」
ふわりと笑顔を見せながら答えてくれる。
でもあの時一瞬見せた諦めたような冷めきった目が引っ掛かって思わず大丈夫かと頭を撫でる
「…ぇっと、大丈夫です、、」
撫でられた頭を片手で押さえながら、太陽の光のせいか少し赤くなった頬を隠すように俯いてしまった。
「伊織様」
声のした方を向くとそこには専属の執事だろうか、メガネに綺麗に整えられた黒髪が目を引く長身の男が立っていた。
「あ、傑ごめん遅くなりました」
申し訳なさそうに眉をたれさせ有栖が謝る
「いえ、そちらの方は?」
スッと無表情の傑という男が俺を視界に入れた
「有栖の担任になりました、三澄錬と言います」
「そうでしたか。
伊織様に何かありましたでしょうか?」
無表情で感情のこもってない声なのに有無を言わせぬ威圧感がある。
有栖の方も若干苦笑いしてるし。
「有栖が男子生徒に絡まれていたので助けたついでに正門までに送っていこうとしてたんですよ」
にっこりと営業スマイルで返す。
「それは大変ありがとうございました。今後とも伊織様をよろしくお願いいたします」
そういうときっちりとお辞儀をし、有栖の荷物を受け取り
車へと誘導する。
「あっ傑まって、先生ありがとうございました」
有栖が車に乗る前にきちんと礼を言う
「ああ、またな気を付けて帰れ」
そうして遠ざかっていく豪華な黒塗りの車を目で追う
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