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* Scent.2 *
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──動けない……何で。息をするのも苦しい……。
金縛りにでもあったかのように、四肢を動かせないでいる。
逃げ出す間際に見た男の顔は原型をとどめない程に腫れていて、青やら赤の痣を顔中につくっていた。
独りでに扉が閉まると、涼風と2人きりになる。
抑制剤は今手元にはないから、一刻も早くアルファから離れないといけない……そうしないと……。
「……来ない、で」
横たわっていた立花がやっとのことで上体を起こすと、距離を取るために涼風から遠ざかる。
数センチずつ、アルファのフェロモンにあてられて気怠くなった身体をどうにか奮い立たせて、立花は奥の壁際までにじり寄った。
涼風は立花の制止の声を聞かずに、いとも簡単に距離を詰める。
──抱かれたい……。奥までめちゃくちゃに犯して欲しい……。
「何で……こんな……」
惑乱した声が上から振ってきて、涼風の顔を覗き込んだ。
頭上で手首を固められて、わずかに残っていた衣服を剥ぎ取られる。
つきり、と纏められた部分が痛んだが、もう助けを求める声は口にしなかった。
「涼風さん……」
ヒートのせいだって、オメガのフェロモンのせいだって、今は何でもいい。
掠れた声で名前を呼ぶと、それを皮切りに涼風が完全に覆い被さってくる。
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