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* Scent.6 *
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好きだと言ってくれた涼風に何もかもを話せずに、消えてしまった。
今の自分に出来るのは、この男から涼風を守ることだけだ。
手枷についている鎖は鉄格子と繋がっていて、2メートル四方の、言うなれば人用の檻に立花は入れられている。
瑛智は1本の銀色の鎖を引っ張ると、転がっている立花を鉄格子の側まで乱暴に寄せた。
誘発剤はある種の自白剤よりも、オメガにとっては強力なものだ。
普段でも抑制剤を身体に入れていないと、外に出られないくらいに不安定なときがあるのに、その逆の薬を大量に投与されている。
特に静脈からの接種は、全身を巡っている血管で薬が回るから効果を発揮するのも早い。
「おねがい……もう、入れてぇ……。しんじゃう……っ。お尻、埋めてほしいのっ……」
「お前が発情したときに助けに入ったアルファに抱かれた。……そうだね?」
腰を高く上げて揺らがせる。
半ば誘導されるような形の質問に、立花はこくこくと何度も頷いた。
あれほど強情に「誰か」を守っていた立花が半日でようやく堕ちて、瑛智はその様を嘲笑する。
痛みと傷の伴う拷問よりも、快楽を餌にぶら下げるほうが、立花にとっては辛いと把握しているのだ。
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