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2019年クリスマスの巻 6
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「そうなんだ」
全員、ヒールを履いているので、トラよりも身長がだいぶ高い。
「あっ!ねーねー!トラ次くんにも聞いてみようよっ!」
田中は自らもっていた紙袋の中から、派手な色の小瓶をだした。
それが、香水の瓶だという事は何となくトラには理解できた。
「この匂いすごいいいにおいじゃない?」
田中はそう言って、プシュッと自らにそれをかけた。
飛沫がフワリと舞って、トラの服にも付着する。
「うん…なんか、キャラメルみたいな匂いがする」
トラがそう言うと、女子たちは声を揃えて騒ぎだす。
「そうそう!そうなの!」
「冬の新作でねっ!」
「ちょー良い匂いじゃないっ!?」
甲高い声ではしゃぐ女子たちは、瓶をトラに渡してきた。
あまり興味が無かったので、
とりあえず、眺めてからメーカーを確認するふりをして返す。
「みんなでお揃いの買ったの!」
流行のクリスマスコフレというヤツだろうか。
「っていうか、トラ次くんって私服可愛いくない?」
クスクスと笑われる。
背が低いからだろうか。
「そう?」
誉められている気はしないが、貶されている気もしない。
悪意は無いのだろう。
女子の会話は、コロコロ変わりすぎてついて行けない時があるが、
最近免疫がついて徐々に理解できるようになってきた。
「っていうか、トラ次くん 暇?
コレから、スタバに行こうと思うんだけど、よかったら来なよ」
女子に誘われる。
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