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灰色の瞳のとら猫のお話 二巻目-6
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放課後、部活の時間になりミサオと共に部室へ向かおうとした。
今朝、鍵開けである事を教えてくれたからだ。
「ミサ…」
しかし、ミサオの席へ行こうと振り返ったが、ミサオは既にいなかった。
「…」
なんで?
一緒の部活へ向かうんだから、誘ってくれても良いのに…
鍵開けだから、授業が終わった瞬間に、ミサオが部室へ向かったという事。
鞄は既になく、ホームルームが終わった瞬間、ミサオは教室を出て行ったものと思われる。
つまり…
ミサオに置いてかれた!
そう思ったトラは、慌てて鞄を持って教室を出る事にした。
「トラ次くんっ!」
トラが席を立つ。
トラは席を立った瞬間、後ろから声をかけられる。
「なに?」
見ると、女子が数人トラを囲んでいた。
「何?」
トラは、彼女達を訝った。
「え?」
その女子たちの行動に驚いて動けなかった。
「あの、トラ次くん」
その中でも、一番頬が赤くて、何か硬い決意を心に秘めた女子が、トラの前へ出て思いを告げる。
奥二重で、細身だが、女子らしく髪が長い。
「トラ次くんのことが好きですっ」
え、
…は?
…ええっ??
「好きって、オレのこと?」
そう聞こえたような気がしたが、気のせいだと思って聞き返す。
「うん」
そういったんだけど…
と、瞳を潤ませて、頷く。
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