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あれだけ僕にはつきまとうなと言ったのに、月島は何事も無かったかのように、親しげに話しかけてくる。
もしかして吸血鬼には人間の言葉が通じないのか?と思う程、どれだけ厳しく言ってもヘラヘラと笑っている。
最近では最早諦めて、勝手に喋らせて無視をすることにしていた。
ようやく暑さがマシになり過ごしやすくなって来た頃、旭がゼミの旅行に行くことになった。
二泊三日で帰って来るのだけど、僕が一人になることを心配した旭が、大学を休めと言う。
「乃亜、行き帰りが一人になるだろ?心配だから家にいろよ」
「…大丈夫。それにその日は、プレゼンがある日やから休めへん」
「そうか。じゃあやっぱり旅行は止め…」
「あかんで!ちゃんと行って!僕は大丈夫やって。プレゼンの日以外は家にいるから」
「…ほんとに?」
「ほんとに。マメにメールもするし。心配やったらおじさんの病院にいててもいいし」
「…そうだな。父さんの所にいてくれたら一番安心かな」
旭のベッドに寄りかかっていた僕の肩を抱き寄せて、旭がこめかみにキスをする。
僕は、旭の肩に頭を乗せて、気づかれないように小さく溜息を吐いた。
「旭…、そんなに心配?」
「心配。俺が傍にいない時に貧血で倒れたら、とか、また変な奴が襲って来たら、とか…」
「暑さが和らいできたし、おじさんの病院にも定期的に行ってるから最近は調子いいよ?」
「…そうだな。でも、あの変質者が、また襲って来るかもしれない。俺がいない時に乃亜に何かあったら、俺死んじゃうよ?」
旭が、僕の髪に唇を寄せて肩を強く抱く。
「ほんまに心配性やなぁ」と文句を言いながらも、僕のことをそんなにも思ってくれることが嬉しくて、顔を上げてキスをした。
「乃亜、乃亜は俺がいなくて寂しい?」
「…う…、さ…さびしい…」
自分の素直な気持ちを伝えることに、どうしても照れてしまう僕は、とても小さな声で答えて、旭の肩に顔を埋めた。
「ふふっ、俺も。乃亜、顔見せて。今日と明日と明後日と明明後日の分のキスをしよう」
「…そんなにしたら、唇腫れるやん…」
「うん、そうだね。でも、俺のことすぐ思い出すだろ?」
「旭のバカ…。僕はいつも、旭のこと考え…んっ!んぅ…っ」
いきなり顎をすくわれて、旭が僕の唇を塞ぐ。何度も角度を変えて強く唇を合わせ、舌を絡めて唾液をすする。
旭の手が上着の裾から入ってきて、僕の肌をスルリと撫であげ、僕はビクンと肩を揺らした。
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