アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
「まぁと言ってもシアンがまだ10歳だからな、結婚はあいつが成人してからだな」
「そうですね」
後8年か、長いな…
けれどアーヌは遠いけどその間会えないわけじゃない
ゆっくりと二人で大人になっていこう
王宮に戻ると皇太子はさっそくオペラのお礼を国王に伝え、同時に早速爆弾を落として客室に戻っていった。
『フォルダム!お前と言う奴は!!!!何かこの国に恨みでもあるのか!!!』
彼が部屋から出た瞬間、それまで冷静を努めていた王が動いた。
護衛騎士に押さえられながらも胸倉を掴む父の声が部屋中に響き渡った。
『いいえ』
『ならばどうして!問題を起こすんだ!お前がアンナと結婚していれば丸く収まったことではないか!』
『彼女ではダメなんです、シアン様じゃなきゃ』
咄嗟に父の手を騎士達が掴んでいなければ殴られていただろう。
興奮したままの父の『謹慎していろ』という声と供に部屋の外へ放り出された。
外に控えていた王宮の侍従や使用人達は皆驚いた顔をしていた。
『で、殿下…』
『宮に帰る』
『ご案内いたします』
途中何も聞かれなかった。
ただならぬ状況に何も聞けなかったのだろう。
宮に戻ると何かを察知したのであろう侍従達は顔を強張らせた。
『皆にはこれから迷惑をかける。もし辞めたい者が居たら言ってくれ』
全てを話すと、戸惑った反応が返ってきた。
当然だ。
王族の同性愛なんて、独立以来の大問題なのだ。
『今日はもう休む。皆各々答えを出してくれる。もし辞めたいと言っても責めたりはしないから』
なんとか手伝おうとする侍従を下がらせ、一人で就寝の準備をする。
明日から少なくとも王宮ではこの話題で持ちきりになる。
当分は来ないだろう静かな夜だ。
ベットに横になり、またこんな夜が来る事を願って目を閉じた。
翌日宮の侍女や侍従、使用人の半分が居なくなっていた。
理由が理由なだけに、男が圧倒的に多かった。
「人手が足りませんね…」
一番長く勤めてくれている侍女が、そう申し訳なさそうに告げてきた。
「仕方ないさ、君はよかったのか?」
「驚きましたが、これまでのお仕え致しました殿下が全て嘘なわけではないですし、それに私は女ですから」
「ありがとう。宮のことはできるだけでいい。当分は謹慎だから俺も手伝うよ」
「…ありがとうございます、殿下」
朝からバタバタしていた彼らの仕事を手伝っていたが、お昼を過ぎると来客が多くなった。
それは、俺の精神を心配する母であったり、どういうつもりかという重臣であったり、教会の大司教であったり、時間が空いたのであろう皇太子であった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 30