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褒美と仕置と罰 side:月詠 奏夜
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side:月詠 奏夜
意識が落ちたポチを撫でてやる。
意識がないのに擦り寄ってくるポチは最高に可愛い。
そばで何か言いたげにしているユウに挑発的な笑みを向ける。
「中々、面白いもん見せてもらった」
急な声にそちらを睨みつける。
ユウは、その声を聞くと頭を下げて部屋から出て行く。
「何で、お前がここに」
父親がここにやって来たのは、数えるほどしかない。
「何故かって?お前に条件として本家に来るように言ったのにいつまでも来る様子がねぇから来てやった」
「頼んでない、別に与えられた事はこなしてる。問題ないだろ?」
そんな俺を鼻で笑ってアイツはポチに近付く。
「おい、コイツは俺のだ。触るな」
「勘違いするな、佐柳は月詠組の所有物だ。お前のじゃない、貸してやってるだけだ」
「チッ、くれたんじゃないのかよ」
「こんな良いコマ、お前にやる訳ないだろ?まぁ、面白いもの見せてもらったがな。佐柳のこと何処まで1ヶ月で躾けた?」
「さあな。何処まででも言う事聞くぜ?躾ける前から元々、俺に依存してたのはあるが、所々修正加えて完璧に俺の好みのペット」
「そうか。お前が命令すれば、佐柳は他の奴にも足開くか?」
「命令すればするだろうな。泣きながら。だけどそんな事させない。その命令は多分、禁じ手だ。ポチは壊れる。俺の愛情のある苦しませ方とそれ以外の痛みや苦しさを完全に分けて覚えさせたからな」
元々、曖昧な差はあったようだが、明確に差をつけさせた。
褒美と仕置き、同じ内容を与えても褒美の時は喜ぶように仕置きの時は許しを乞うように躾けた。
「なるほど。なら、お前が殺せと言えば佐柳は見ず知らずの奴も殺せるか?」
「するだろうな。俺が本気でそう命じれば。でも、ポチは馬鹿じゃない。俺の意思を明確に読み取って言葉だけじゃ動かない。しっかり真意まで見る。1ヶ月で中々だろ?」
「佐柳の本来の性質もあるだろうが、中々だな。お前が俺の言う事を聞いているうちは佐柳は好きにして構わない。ただお前が歯向かうようなら、佐柳を壊す」
どこまでもムカつく。
「ペットの飼育に興味あるなら弱みにはならないが、愛玩なら弱みだ。それを知っておけ。今日は幹部集めて定例会だ。お前も来い」
勝手な物言いに腹立つが、今の俺に逆らえるほどの力はない。
ポチを完全に自分のものにできない苛立ちも加わって側にあった机を蹴飛ばす。
その音でポチが目を覚ます。
意識失ってまだ数分しか経ってない。睡眠をしっかりとらせるつもりだった俺からするとそれも苛立つ。
俺以外の気配に気づき、ポチがキョロキョロ、俺とアイツを見比べる。
傷の痛みで自由に動けないポチは俺を求めて、手を伸ばしてくる。
「ごめんなさい……まだ起きる時間じゃないのに目が覚めちゃいました。お仕置き?」
本当に察しがいい。
俺が起きて欲しくなかった事を、一瞬で察して許しを乞う。
その行動に俺の機嫌が少し良くなる。
アイツは興味深そうにその様子を見てる。
俺はポチに近付いて、ベットから抱き上げてやる。
ポチは抱き上げられた事で傷が痛むだろうに嬉そうに擦り寄ってくる。
ポチにとって痛みよりも、抱き上げられた事の方が重要なんだろう。
「ポチ、ちゃんとごめんなさいできたから許してやる。謝れた良い子にはご褒美やるな」
ポチはご褒美として与えられるであろう痛みを想定してか、身体を硬くするが、いつまでも与えられない痛みに不思議そうに俺の目を見てくる。
ポチをベットに下ろしてやる。
「ポチご褒美何が欲しい?」
ポチが本当に欲しいご褒美は知っている。
頭を撫でられる事。
優しくキスをされる事。
俺の腕の中で眠る事。
ドックフード以外の食べ物を俺の手から与えられる事。
一緒にお風呂に普通に入る事。
俺と普通に会話する事。
一緒にテレビを見る事。
でも、俺が与えたいご褒美がこれでない事もちゃんとポチは分かってる。
ポチは欲しくないご褒美を欲しいと強請らないといけない。
言えば与えられる痛みの恐怖に泣きながら、どの程度のモノを言えば機嫌を損ねないか考えながら強請る。
新しい傷なんてもう付けれないくらい今のポチはボロボロだから、尚更迷ってるのだろう。
「えっと……愛して欲しいです、たくさん」
ポチの愛しては俺の好きに嬲って良いって事だろうが、今の答えとしては不服だ。
言ったポチ自身は与えたれる愛という名の暴力に怯えて身体を震えさせてる。
「ポチ残念、20点」
ついに本格的に泣きはじめたポチの頰を腫れないように最大限力加減に配慮して平手打ちをする。
「今日は独り寝だ」
ポチが一番嫌がる罰を言い渡す。
仕置きと罰の区別もつけているが罰は俺の気分で与えられるものだとポチ理解してる。
仕置きは許しを乞う事も躾けてるが罰にはそれすらも許してない。
今のポチには独りで寝るだけでも堪えるだろう。
自由に動けない、それはトイレなどの生理現象すら自由できない。
ただでさえ、俺と離れる事が悲しい事だと躾けられているポチにとって一人は辛いのに、トイレに行きたくなれば漏らすしかない状況は精神的にも追い詰める。
どうせ、今日は定例会で帰れないのなら罰としてポチに独り寝を言い渡しても同じだ。
「……罰?」
「ああ、罰だ」
そう言えばポチは泣きながらも受け入れる。
ここでお仕置きと言えば、ポチはごねるだろう。
俺は泣き続けるポチを置いていくのに気が引けて泣き止ますことにする。
ポチが泣いてる理由は罰でも、頰を叩かれたことでもなく、俺の正解を導き出せなかった事への涙。
だから、耳元で囁いてやる。
「さっきの問いに正解はない、俺の気分だ。何を言っても罰を与えてた」
ポチは目をパチクリしながらその言葉を理解したようで涙が止まる。
頭を撫でてやるとポチは嬉しそうに大人しくなる。
ポチを残してアイツと一緒に部屋を出る。
「躾け方に賛同はしないが、佐柳は、賢いな。俺のにも見せてやりたい。まあ、俺にお前の愛し方は理解できないがな」
「別にアンタからの賛同はいらない」
「褒美と仕置と罰を使い分けてるのか?」
「ああ、褒美と仕置は内容は同じ。罰だけ特別」
「俺のには理解できんだろな。甘やかしてあるからな。佐柳を見せたら怯えるだろ」
「知るか。定例会には出る。それで良いんだろ?」
「それでいい。ペットの護衛配置なども上げとけ」
それだけ言うとアイツは島田とユウをつれて出て行く。
俺も後を追って、本家に向かう。
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