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定例会 side:月詠 奏夜
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side:月詠 奏夜
定例会は暇だ。
ここには俺の敵しかいない。
組長としての父親と側近達。
あとは俺の祖父にあたる奴の部下だった老いぼれ達。
老いぼれ達はいつも自分の地位を狙ってギラギラと足元を見てる。
俺がこの定例会とやらに来るのは2回目だが、常に品定めしてくる。
アイツさえ、まだこの老いぼれ達には手を焼いているようで、その為に俺の母は犠牲になった。
アイツには側近っていう味方がいるが俺にはいない。俺はアイツ側の人間だと老いぼれ達には思わさせておかないと即、殺されて海の藻屑になるだろう。
アイツの側近やアイツ側の幹部は若い。何故、その地位にいるのかと思うような奴もいる。
未だに俺はここに集まる奴らの関係性や役割を理解できていない。
組長から順に側近と組長側の幹部が並ぶ。俺は暇で危険なこの定例会で奴らを観察する。
島田は優秀なアイツの側近だ。
これは周知の事実だし、老いぼれ達も喉から手が出るほど欲しい人材だろう。
ただ、そこにチョコチョコ付いてくる鉄と言う謎の男は何故そこにいるのか不思議なほど不釣り合いな幼さがある。島田のペットなのだろうか?ここはペット同伴可なのか?そんな事さえ思わされる。
吉野は、戦闘班をまとめてる完全な肉体派だ。多分、あんまり考える事は苦手な直感派。
ユウは救護班をまとめる医者だ。怪我やカウンセリングが必要な人間が多い此処では必要な人材だろう。
そこまで観察して、前回居なかった人物に意識が向く。
島田の後ろにいる鉄は前回同様だが、島田の手には鎖がありその鎖の先には見知らぬ男がいた。
ソイツは目を惹くような色気がある。そして、口枷をされている。
「さて、今日の定例会では皆様に興をと思いましてオモチャを連れて参りました」
島田が言うと同時に鎖を引くと、ソイツは大人しく前に出る。
「吉野、鉄を連れて先に退室なさい」
「島田さん、しかし、これは聞いて……」
俺が知る中で島田に食ってかかるやつはいない。吉野も島田の言う事には常に従順だった。珍しい反論に俺の興味が向く。
「吉野、貴方には監視を命じましたがそれ以上でもそれ以下でもありません。さあ、鉄を連れて先に退室なさい」
キツめの島田の物言いに渋々、吉野は鉄を連れて出て行く。
「お待たせいたしました。皆様も彼の事はご存知かと。彼、瀬尾は、半年前に神田組の解体後、こちらで預かり監視下に置いていましたが、少々、おいたが過ぎましたので罰をと連れてきました」
老いぼれ達が息を呑むのが分かる。
瀬尾と呼ばれた男は和服を身につけてはいるものの既に乱れていた。
「こちらでも多少の、お仕置きは致しましたが反省の色が見受けられないので皆様にもご協力を頂きたいです」
そう言うと島田が瀬尾の口枷を外す。
「彼は皆様ご存知の通り、神田組でも慰み者として扱われていました。お好きなだけ嬲ってあげて下さい。少々のことでは根を上げないかと」
「島田、面白い余興を準備したと言いながら仕様もない。こんな事に付き合わすなら俺は先に戻る」
そう言って席を立とうとしたアイツに島田は何かを耳打ちした。一瞬、眉を寄せてアイツは席に戻る。
「そうですね、これだけでは楽しくありませんね。なら、彼にお灸を添えて二度と悪戯をしないと約束させた方に彼をあげましょう。殺すも良し、慰み者にするも良し、仕事も彼はある程度有能ですから手下として使うも良し。如何ですか?」
老いぼれ達の目が輝く。
瀬尾という人間を俺は知らないが、老いぼれ達の様子から扱いにくい有能な奴とでも言ったところだろうか。
「じゃあ、僕が誰にも乞う事無ければ僕に組長さんのペットちょうだい」
今まで静かに周りを見ていた瀬尾が不敵に微笑みながら言う。
「瀬尾、良い度胸だな」
そう言うと、アイツがいきなり銃を取り出し瀬尾の足を撃つ。
周りが静まり返る。俺がいるところは紛れもなくヤクザの中だと実感させられる。
「二度とこんな舐めた口開かないように躾けてやれ」
アイツの声と共に周りの老いぼれ達が瀬尾に近づく。
「ユウ、貴方は彼が死ぬ前にスットプをかけてください。それ以外は見逃して構いません」
「……いいんですか!?島田さん?」
「ユウ、貴方も退室させてあげたいですが、今は彼を殺すつもりはありませんから」
そんな会話を横目に瀬尾は嬲られるていく。
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