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なんとか、うなずいて返事をする。俺の手をひいて、ヒヤさんは部屋を出る。やばい、恥ずかしい。
どうせまた変な部屋に案内されるんだ。ベッドとか言いながら、横たわれない造形の代物や、ミニチュアやらを出してくるに違いない。きっとそうだ。展開は読めてる。
………………ヒヤさんは緑のドアを開けた。
え、ガチじゃん。
いくつかある、木製のドア。くすんだミントグリーンで塗った扉。真鍮の取っ手もお洒落で、でもそれは、俺にとっては開かずの間だった。入っちゃ駄目って、言われてたから。
中はすごくシンプルに、寝室だった。外国の部屋みたい。
先に俺を部屋に通したあとで、ヒヤさんは扉を閉めた。
途端、怖くなる。
……いや、もう怯えるなよ。怖くない怖くない。俺が望んだ。何回だってけしかけた。だから、こうなるのも当然。
ベッドに腰掛けて、ヒヤさんは俺をさっきみたいに抱きかかえる。怖くない。この人は結局、優しい。口は悪いし、態度もがさつだし、変なとこでつまづくけど、でも優しい。
キスだって、もう慣れた。
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