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大声を出したら自分でもヒいた。あれ、なんでこんなことしてるんだろ。もっと冷静に、話し合うつもりだったのに。
心は平衡を失って、ひきつる息に胸が苦しい。目を開けてても、全てが滲んで何も見えない。悲しみと怒りと、どちらのほうが強い? 最強に勝つのは、腹立たしいことにどちらでもなく、愛しさだ。卑怯だ、こんなの。こんなの、ありかよ。
好きにならなきゃよかった。
こんな人。
「はるき?」
「………ヒヤさん、なんで言ってくれなかったの」
「なにを、…………」
「最初っから、言ってくれれば俺だって、…………っ」
「……………………」
「俺だって酷い嘘ついたけど、あんただって、………」
「……………………………………」
「酷いよ。俺の気持ち利用してさ。…………俺ばっかが、好きだったんだね」
「何言って…………………………」
「…………………バカみたいじゃん、俺。騙されてたんだね」
「…………………………………………はるき。誰から聞いた?」
「……………………………………ははっ、なにそれ。言うことって、まずそれなの」
「……………違うよな。……はるき、ごめん。でも、」
「うるさい! 嘘つき!」
「……………………違うんだ、あのな、」
「言い訳なんか、聞きたくない。…………言ってくれれば、良かったのに」
病気なんかに、頼らず、いっそ今すぐ死んでしまいたい。
「ヒヤさん、結婚してたんだね」
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