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思わぬ展開①
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もう最低としか言い様がなかった。
昨日いきなり不良共が家に押し掛けてきた事もそうだけど、一番最低だったのはアレから家族会議が行われた事だ。
二人が帰ってすぐ、いきなり父さんが部屋に入ってきてちょっと来なさいってリビングに呼ばれた。
その顔があまりにも難しいそれだったから、絶対なんかろくでもない事言われるんだろうなってビクビクしながらリビングまで行くと。
おかんと姉貴もそこに居て、おかんはハンカチを片手に泣いていた。
俺キョトン。
姉貴ケータイかちかち。
父さんは更に難しい顔。
おかん俺見て更に号泣。
えーナニコレ…。
以下、会話を一部抜粋。
「いつからあんな不良と付き合ってるんだ」
「てかこの前祐介運んで来たのこの辺で超有名な極悪ヤンキーだしね」
「な、アイツか!祐介!ちゃんと説明しなさい!」
「祐ちゃんが…、祐ちゃんが不良に…、ううっ…」
「………………」
「祐介!黙ってないで何とか言いなさい!」
「やるねぇアンタも。ま、あたしには関係ないけどぉー」
「祐ちゃんが…、どうしてあの優しい祐ちゃんが、うっ、ううっ…」
「母さん、ちょっと落ち着きなさい」
そしてその後、父さんは泣き崩れるおかんを宥めるのに必死になって、俺は気がつけば家を飛び出していた。
それから頭がパンクする程に色々考えていれば夜になり、家に戻るも鍵がかかって入れない。
まさかと思いつつチャイムを押したら父さんの無情な声。
「足を洗うまで帰って来るな。輝彦には事情を説明してあるから、しばらくアイツのもとで反省しなさい」
もうね、開いた口が塞がらないってあの事を言うんだと。
輝彦ってのは父さんの弟で、俺のおじさん。
昔この人も悪やってたらしく、だから多分話を聞いてもらえとかなんとかなんだと思う。
もちろん今は普通にリーマンやってる。
35で独身だけどね。
「おら、いつまで寝てんだ起きろ」
布団をガバッと捲られ、昨夜はろくに眠れずまだ眠いから寝かせてくれと言っても輝彦さん(おじさんて呼ぶと怒るから輝彦さんて強制的に呼ばされてる)はそれを許してくれなかった。
渋々布団から這い出る。
昨日ここのマンションに来た時、輝彦さんは何も言わずに夕飯を作ってくれ、問題の事には触れずに他愛もない話で俺を落ち着かせようとしてくれた。
多感な年頃の高校生。
その扱い方を心得てるような気がした。
「ちっとは落ち着いたか」
「うん…」
ほら、とミネラルウォーターを渡され、朝食作るから待ってなとキッチンに行くその後ろ姿をソファの上から見つめる。
独身ゆえか、いい部屋に住んでんなと思った。
結構な収入がなければこんなとこ住めないんじゃないか、なんて思いながら背中から室内に視線を移した。
「俺今日用事あんだけど、お前どうする」
「別に、ここにいるけど」
「知らないヤツ来ても鍵あけんなよ」
「わかってるよ。子供扱いすんな」
今のこの現状にまだ俺は不満たっぷりだ。
当たり前だろ、身に覚えのない事で家を追い出されたんだからな。
しかももっと頭を悩ませるのはきちんと説明ができない事だ。
何で不良につきまとわれてんのか、正直に話す事なんて絶対に無理だから。
だから誤解をとくにとけない。
不良と無関係なら何で家まで来るんだ、って聞かれても説明の仕様がないのが今の現状。
むしろ俺が聞きたいってゆう。
知らない、俺もよくわからない、で済ませてくれるような親ではない事はこの状況を見ればわかるだろ。
はぁ、しばらくここ住みか…。
ま、輝彦さんは話しやすいし嫌いじゃないからいいんだけど。
「ぼけっとしてねーでさっさと食え。俺もう行くから洗いもんくらいしとけよ」
「はーい、いってらっしゃい」
いつの間にか並べられている朝食に意識を移し、慌ただしく出ていく輝彦さんに俺は緩く手を振った。
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