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衣類に学校のもの、それから気をきかせてなのかゲーム機とゲーム、マンガ本まで段ボールに詰められていた。
おかんだな、これまとめたの。
涙する姿を思い出し、俺は少しだけ胸が苦しくなった。
誤解だから、安心して。
俺はおかんの思ってる祐介のままだから。
そんな事を思いながら荷物を片付けると、俺は再びリビングへと戻った。
「あれ、真生さんは?」
そこには輝彦さんしか見当たらず、どうでもよかったけど一応聞いてみた。
「寝た」
魔王臨終。
これで静かになった。
「祐介、今からまた客が来るけど適当にしてていーから」
「うん」
お言葉に甘えてテレビをつける。
時刻は間もなく3時になろうとしていた。
大して面白い番組もなかったから、さっそくゲーム機を持ち出しテレビへと繋ぐ。
あれからまだボスと戦えていなかった俺は、やっとこの時を迎えたと手に汗を握った。
そんな俺を見て、輝彦さんが呆れたように笑うのを視界の端に捉えながら、没頭する事数時間。
チャイムが鳴った。
言ってた客か。
気にせず四回目のボス戦に挑んだ。
「久しぶりだな」
「そうか?ほら、手土産だ」
知らない声が聞こえたけど、無視してゲームに夢中になる。
挨拶くらいしようかと思ったけど、二人で会話が弾んでるみたいだったから遠慮した。
「なんだお前、養子でもとったのか」
俺の事か。
流石に無視はできず、振り返って頭だけ軽く下げた。
「まさか。甥だよ」
「だろうな。いくつだ」
「16」
「俺のガキと大してかわんねぇな」
「雅治、18だっけか」
「生意気ったらねぇよ」
輝彦さんに負けず劣らず、というより輝彦さんよりイケメンなその客は、何を思ったのか俺の隣へと腰を下ろした。
一瞬ビビるも、どうしようもなくゲームを続ける。
「普通はこうだよな、やっぱ」
そして俺をマジマジ見るなりそう呟いた。
「お前んとこは特別なんだから普通と比べんなよ」
「や、けどアレはねぇよ」
「中学ん時以来会ってないけど、また更にいい男になってんだろうな」
「顔はな。中身は最悪だ、俺に似て」
「まぁそう言うな」
「片親にしちゃったからなぁ、俺の身勝手な都合で。そっから更に酷くなった」
「滝、お前が辛い想いしてきてんの、俺はちゃんと知ってるから」
滝と呼ばれたその人は、それからしばらく黙ってゲームを眺めていた。
それも五分で飽きたのか、気が付けば隣からいなくなっていた。
構わず六回目のボス戦に挑む。
倒す頃には日が暮れていた。
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