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うるさいとドアを激しく叩かれてどれくらい経っただろうか。
ビビりすぎた俺はお昼にも手を伸ばせず(というか食欲は元からありませんでしたがね)正座という格好から微動だにできずにいた。
故に足が痺れて今にも体からもげそうです。
窓の外を見れば辺りはもう薄暗く、チカチカと電球の切れかかった街灯が目に入る。
いっそ窓から飛び降りて逃げようか、と、痺れる足を引き摺りながら窓に移動し、鍵に手をかけた瞬間痛みでうずくまった。
何事かと見上げれば、鍵の部分が何やら物騒なものでぐるぐる巻きにされている。
とげとげとしたその鉄線は、俺を更に恐怖に陥れた。
いやこれ本格的な監禁なんですね。
本当にこれ外に出られないとかそんな感じなんですね。
「………」
ソファにそっと腰を下ろす。
そして頭を抱えて盛大なため息を吐き出した。
やばい、まずい。
下手したらマジで警察沙汰とかとんでもない事になりそうだ。
今はまだ時間もそこまで経ってないし、何より俺は家から追い出されてる身だから親が気付く可能性は今のところまずない。
サタンのいう全てが終わるまでにどれほどの時間を要するのか俺には見当もつかないが、もしそれが一週間二週間となれば、親にバレて騒ぎどころではなくなるのは想像に容易い。
とにかく今は輝彦さんにバレる前になんとかここから逃げ出さなければ…。
こうなればもう多少の痛みでひいひい言っている場合ではない。
男を見せろ祐介!!
自分で巻いた種だ、自分で刈り取らなければ!!
俺は再び窓に歩み寄り、その鉄線に手をかけた。
「………」
ごめんなさい痛いですムリです触りたくありません。
血を吹き出す人差し指を咥えながら、俺はまたソファに逆戻った。
ああああくそううう…っ!!
何て痛みに弱い体なんだ!!
「情けなくて涙が出るぜ…っ」
とりあえず体力を激しく消耗した俺は、与えられた食べ物でそれを補おうとパンを口に頬張った。
そしてジュースを一口二口飲む。
うん、結構うまい。
「なんてまったりしとる場合ではないだろう…っ」
あああどうしよう。
どうすればいいんだ。
ここから俺一人で脱出なんて不可能もいいとこなんだが、けれど何もせずただぼけっと助けを待ってもいられない。
俺なりに頑張ったんだぜ!!
ってところをボスザルにもわかってもらいたいし、そしたらきっと約束を破った事もほんの少し許してもらえるかも知れない。
よし、男を見せろ祐介!!
立ち上がると、俺はスクワットを始めた。
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