アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
14
-
それからも僕は寝付けなくて、結局朝まで起きていた。
「せっかく先輩いるんだし、朝ごはんでも作ろっかな」
いつもはパンを焼いてカフェオレを入れるだけ。だけど先輩がいるってだけで気合いが入る。
いつか一緒に食べたいって思ってたフルーツ、賞味期限は切れてなくてほっとした。
もしかしたら、今日が最後かもしれない。
そんな思いがどうしても消えなかったから。
「あれ、もう起きてたの?早いね、おはよう」
「先輩、おはようございます」
「朝ごはん、食べますか?」
「あぁ…ごめん、俺今日一限出なきゃいけないんだ。もうすぐで家でないと…」
…うそ。
「そうだったんだ…早くからご苦労さまだね?行ってらっしゃい」
「うん、いってきます!」
…一限に行くなんて嘘、すぐにバレるのに。
先輩の足ならまだまだ時間は余裕でしょう?
本当、ばかだなぁ。
僕も、先輩も。
_
そんなこんなでついに明日が先輩の誕生日。
僕が1番に祝いたい。誰よりも先に。
だから、今日だけは帰ってきて欲しいとメールを送った。
見てくれると信じて。
_
5時に帰宅し、先輩を待った。
12時ちょうどにおめでとうって言いたくて。
6時、まだ帰ってこない。
7時、そろそろご飯も冷めてきた。僕だけ先に食べておこ。
8時、先輩のご飯にラップをかけ、いつ帰ってきてもいいようにレンジの近くに移動させた。
9時、まだ先輩は帰ってこない。
10時、11時になってもまだ帰ってこなかった。
_そしてとうとう、12時が過ぎてしまった。
「あーあ、1番最初に祝いたかったのにな…」
…でも本番は今日だから。
今日は先輩は好きな物いっぱい作るんだ。
そしたら、美味しいって…また先輩笑ってくれる…よね?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 102