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さっきまで、灰色だった世界が何だか妙にキラキラして見える。
「…ふふっ、先生のおかげだね」
先生に出会えたから、気持ちに整理がついた。
ずっと、本当は、聞いて欲しかった。
どれだけ強がっても、どれだけ笑っても、先輩に対しての疑心暗鬼が止まらなくて。
でも、救ってくれた先輩をそんなふうに思う自分も嫌いで。
世間一般で見れば、浮気するヤツが悪いんだと思う。
だけど、僕達はお互いが駄目だった。
先輩は僕と曖昧なまま浮気して。
僕はなんにも気付かず、本音を言わないで逃げた。逃げてしまった。
悪いのは、お互い様。
「…最後まで、足掻けばよかったのかな」
辛かったって
苦しかったって
もう限界だって
それでも好きなんだって
全部
言えばよかった。
結末が変わらないとしても、こんな強引に終わらせるべきじゃなかった。
「…今更、だけどね」
_その声は誰にも届かず夜の静けさに溶けていった。
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