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完結後の世界 =7(なんでもない日)
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朝が来て、昼が来て、夜がくる。
そんな、なんでもない日のこと_
僕の一日は朝8時から始まる。
まだ半分夢の中にある僕の頭を半ば強制に呼び起こし、歯磨きと顔を洗って、カフェオレ1杯。
朝こそちゃんと食べた方がいいって分かってはいるけど、起きたばっかっていうのに胃に入れる気は起きない。
そして普通のニュース番組を流しながら時刻を確認。
ヘアアイロンで前髪を整えて、彰さんと会っても恥ずかしくないような服に着替えて、朝の準備は終了。
「えっと…忘れ物は〜ないかな。よし」
早く彰さんに会いたいな!
==
「おはようございまーす」
「おはよう」
「蒼太くんおはよー!」
「おはよう♪」
珍しく今日は俺が最後の出勤だったみたい。
「今日は皆さん早いんですね?」
「ああ、だって今日はな……」
「今日はね……」
「あの日だから♪」
「???」
あの日ってなんだろ…
僕なんか忘れてる、?
「あの日ってのは、給料日だよ。蒼太」
「!!!彰さんっ!!!」
いつの間にか後ろにいた彰さん。
ちなみに今は、肩に頭を載せられてる状態で…彰さんのいい匂いが…っ!
……んん?
ってあれ?もしかして今日が…
「給料日なんですか?!?!」
「お、おう…そうだけど何?そんな大声出して…」
「僕!自分でなにか稼いで、お金貰うのが初めてで、!!なんか感慨深いなあって」
今まで人に寄りかかりっぱで生きてきた僕が自分で働いて、自分でお金を稼いでることが夢みたい。
でも、嬉しい。やっと人に恥じない大人になれた気がする。
「…そっか、でもこれからは慣れていかないとね」
「そうよ!これから蒼太くんはここで働いて、お金貰って、生活していくんだから!ね?」
「おい!愛美、あんま近寄んなって…まあ、俺も同感だな。早く慣れろよ」
「蒼太ちゃんてば純粋〜♪」
からかわれている気がしなくもないけど…
嬉しいものは嬉しい。
お給料入ったら何買おうかな…!
==
時計を見るともう営業時間終了間近。
時間ってほんと経つの早い…
「おい、もう上がっていいぞ」
患者さんが誰もいない静かな病院に彰さんの声が響き渡る。
あれ?でも…もしかして
「給料って振込ですか?」
「あぁ、少し前までは手渡ししてたんだがそれだと怖いって愛美から苦情が来てな」
「そうそう!だってもし家に帰る途中でひったくりにでもあったら1ヶ月の生きる費用がパーだよ?そんなの怖いじゃん!」
「確かに、ですね」
てっきり手渡しだと思ったからまだ貰ってないのに帰っていいの?って思っちゃった、、
恥ずかし…
「まぁ、蒼太はまだ新人だから本当はアイツらよりちょっと給料低いんだが、アイツらより蒼太の方が仕事できるからな。同じにしてるよ」
肩にぽんと手を置かれ言われた。
なら…彰さんに何かプレゼントでもあげようかな、、
==
「じゃおつかれー」
「お疲れ様です」
「お疲れ様っ!」
「おつおつ〜♪」
「よし、俺らも帰ろうか蒼太」
「はい!」
朝が来て、昼が来て、夜がくる。
そんな、なんでもない日を大切に_
なんでもない日 ~完~
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