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完結後の世界 =10(真実⑥)
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父さんが本当に居なくなって、初めは悲しさと苦しさでいっぱいで、でも次第にこれから俺はどうしたらええんやろうって。
俺の家庭をぶっ壊した三枝家を貶めて、苦しめて、最後には凪を殺す。
そしたら俺は晴れて復讐を果たして、その後は刑務所でもどこでも入ってこっちの世界になんて戻る気はなかった。
俺の人生は凪を殺すことが最終目標だった。
なのに、もう三枝家を恨む理由が無くなった。
行き場の無い数年間の恨みだけが積もってただの屍になった。
俺は、俺は
これからどうしたらいい…?
___辺りは真っ暗とは言い難いけど、でも俺の目には真っ暗に見えて。
まるで出口のないトンネルに迷い込んだみたいに右も左も分からへん。
「…もう寝るか…」
部屋の電気を消した時、ふとスマホが光って、それは結局公式L○NEやったんやけどトーク履歴にアイツが居たのがどうしても頭に残った。
アイツには悪い事をした、とおもう。
いや、アイツの親が関係なかったんやからアイツは何にも関係なくて、だからアイツにしたことは全部悪くて、
…でも、今までアイツに対して憎悪の気持ちでしか接したことなかったからそう簡単に認め、られない。
どうしても悪かったと思いたくない。
「知ってる…こんなのただの自尊心を守りたいだけって知ってる…知ってんだよ…」
それなのに素直に言葉が出てこないのはどうしてだろう。
朝起きて、とりあえず、母さんを弔おう。
葬儀屋さんの手続きとかよく分からんから、庭に埋めるだけやけど許してな。
お墓にも入れてやれんでごめん。
「こんなクソ野郎…育ててくれて、ありがとうな」
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