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完結後の世界 =10(真実⑧)
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凪said
「…なんか、数日ですごい体験したんだね」
こんな非日常な話、すぐに信じろって方が難しい。
それに正直…透のことを信頼できない。
でも
「とりあえず、全部勘違いってことで大丈夫?」
「まぁ簡単に言えばやけど…」
「そう…それじゃあ、はい」
「…?」
「ん?じゃなくて、握手!」
「いやなんで…」
「…僕、正直まだ透のこと全部は信頼できない。この家も…透自身も、まだ怖い。でも…僕ら、友達でしょ?元だけど…。だから今からまた、もう1回友達始めましょーってことで仲直りの握手」
意表をつかれたような顔をして、放心する透の腕を掴み、無理やり握手する。
グッと力を込めて、もう二度とこの腕を離さないと決めて。
「はい!これで仲直りな」
「……凪、はそれでいいんかよ…」
「…いいよ。透に心配される筋合いないし!それに、友達に戻れたら紹介しようと思ってた人がいたんだ。だから紹介させてよ」
仕事、忙しいかな。
今連絡するのは迷惑かな。
そんなことばかり考えて何も出来なかった。
相談できなかった。
「僕のこと、少しは気にかけてくれてるかな」
「…付き合ってるんじゃないん」
「全然!僕が一目惚れして、今猛アタック中…なんだけど相手の人、社会人だから遠慮してメッセージ送れなくて」
「後回しにしてもしんどいだけや、誘うなら早めの方がいいんちゃう」
「そうだね、!」
…あ、なんか今、透と普通の会話できてる…
嬉しいや
「もう遅い時間だし僕もう帰るね。真守には僕から言っとくから」
「あぁ…その、凪!」
「ん、なに?」
「多分、俺のしたことって許されへんし…その、元々刑務所入るぐらいの覚悟でやったから…仲直りなんかしたけど、別に通報していいから…、俺、もう正直したいこと、無いんやわ…だから」
「そんなこと言われても…って感じなんだけど」
「え?」
透は今更何を言ってるんだろう
そんなの
「通報出来るもんならもうしてるから!僕は透とまた友達に戻れるって信じてたから警察沙汰になんてする気無かったんだよ。確かに透のしたことはしっかり罰を与えるべきことなんだろうけど、当事者の僕がもう許したんだからそれでいいじゃん。このことは僕と透と真守の秘密。誰にも言わない一生の秘密。それでいいでしょ?」
ぽかんとした顔のまま、動かない透を横目に立ち上がる。
「じゃ、そういうことで!明日からまた友達な」
「待っ…あ、あのさ俺が言えることやないんやけど…ほんまにそれでいいん?」
「…これで最後だからね?僕達は友達!それ以上でもそれ以下でもないの!分かった?」
「お、おう…」
半ば強引に押し切り、じゃあねって帰路に着く。
「一件落着…かな」
あのね透。
本気で嫌になった。本気で逃げたいと思った。
でも透が大切な友達なのは変わらないんだ。
だから明日から、おはようって言ったらおはようって返してね。約束だよ?
Fin
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