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「押忍! 俺、ゆきちゃんのことが好きなんだ」
入学して数週間たったある日。
教室の自分の席に座っている俺の所までやって来たクラスのチャラ男・五百原将生(イオハラショウキ)に、いきなりそう告白された。
…こいつは俺のこと、絶対バカにしている。
そもそも、俺の名前は"ゆき"ではなく"よしき"だ!
武藤由樹(ムトウヨシキ)。
歴とした男。
そりゃ、身体は高1男子にしては小柄なほうだし、顔の作りはジャニ系で可愛いと言われることはままある。
けれど、さっぱりと清潔な短髪で身だしなみには気を遣い、常に姿勢を正し颯爽と"男らしく"有るよう心掛けている。
なので、"由樹"を"ゆき"と呼ばれることは不本意だし、"ちゃん"付けなんて以ての外だ。
強く男らしくあるために空手を習い、段位を取り、今では立派に黒帯有段者だ。
親に空手を続けたいのならば難関校に合格しろと無茶な条件を出され、それを必死でクリアした。
いざ、部活動に専念しようと入学してみたら…。
学園に空手部はなく、存在したのは同好会だった。
同好会から部に昇格するためには、部員を増やすことと実績を数多く作ること。
だから日々、勧誘や稽古に励んでいる。
そんな俺に『押忍!』と言う五百原の挨拶。
しかもそれは、他のクラスメイトにしているのは見たことが無く、俺に対してだけ毎回。
そしてあろうことか、女みたいな『ゆき』呼び。
これがバカにされている以外に、どう捉えることができようか!!
「俺の名前は"ゆき"じゃないし、俺はお前みたいな奴は大嫌いだ!」
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