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金色の瞳のチェシャ猫のお話19
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1人だけの静寂も好きだが、賑やかなのも好きだ。
ミケが来てからチェシャがキスや性行為を強請らなくなったのは事実で、彼なりに我慢をしているのかもしれない。いや…良識があるといった方が良い。
…そういえば、笑みも浮かべなくなった。
それもそれで、問題なのかもしれないと、天花は思った。ミケが来てから、チェシャは天花には見せない姿をよく見せる。それは殺し屋として普段活動している彼の姿だ。ミケはチェシャの感情を逆撫でするのが上手い。
チェシャの表情が日に日に、野性味を帯びているこの状況は、彼にとって、良いのだろうか…
そう考えていると、突如ガラガラッ!と風呂場の扉が開いた。湯船につかっていた天花は驚いた。
「ゆきちゃん…」
「チェシャ…?」
いそいそと入ってきたチェシャは、ガチャッと風呂の扉の鍵をしめた。
天花も閉めたのだが、チェシャにしてみたら、一般家庭の風呂のドアを開閉することなんて、雑作も無いことらしい。
「ミケの馬鹿が、取り込み中だから、来ちゃった」
「…?」
来ちゃったといわれても…
と、天花は湯船から出る。もちろん、チェシャを洗う為だ。
「んっ…!」
近づいてきた天花の肩に手を回して突然キスをされる。
「んぁッ…ふっ…ん、んんっ」
ゾクゾクっと肌を泡立たせたチェシャが、天花の手を自らの下半身へ導く。
既に勃ちかけているチェシャの下半身に触れると、ビクッと肩を振るわせた。
「…ゆ、ゆきちゃんんっ…」
唇が離れると、金色の瞳に涙が溜まり、更に屈折が増すため輝きが増す。
「チェシャ…」
興奮しているチェシャだったが…
「ストップ」
ガチャっと、再び風呂の扉が開いた。
天花は、風呂の扉に現れた影に気づくと動きを止めた。
「…っち」
チェシャが舌打ちをした。
「ダメだっつったろ。馬鹿チェシャ」
ミケも裸だった。
「…」
チェシャもミケの身体もそうだが、身体中の傷が激しい。
白い身体に無数のピンク色のケロイド。火傷の痕なのだろうが、皮膚の質感が変わっている場所や縫い合わせたような痕。それから、弾痕のような痕まで、様々な傷が体中についている。
多くの死線を潜り抜けてきたのか、それとも人を殺すという業を背負っているのかは天花には分からない。その傷がある事で、彼等を否定する事は無い。なぜなら、その傷は今まで彼等が得てきた経験値や過去なのだと思うからだ。
あんなに大きな怪我を負っても尚、今彼等が生きている事が奇跡なのだとしたら、きっと神様か仏様の加護があると思う。そうなれば本当にチェシャの瞳に後光が宿っているような気がする。
「好き勝手発情してんじゃねぇよ」
ペチャペチャッ
と濡れたタイルを進んで、ミケはチェシャの前までくるとチェシャの顎を掴んで自らの唇と重ねる。
「!!!??」
チェシャの性器が、萎えている。
「…なにすんだよ」
唇を放したチェシャはむっと睨め付ける。すると、ミケはニヤリと笑う。
「お前がするなら、俺もするってこと」
「は?」
チェシャの唇を再び奪う。
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