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金色の瞳のチェシャ猫のお話22
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「俺には、お前を一生理解する事できねぇよ」
ミケはただ思う。
「ただ、お前を追いつめて利用したジジは許せないと思うけどな」
ミケの言葉は素直なものだ。同情しないミケの言葉にチェシャは少しだけ楽になった。
「っま、利用する方も悪いけど利用された方も悪いから、結局お前が悪いんだけど」
何も言い返せない。
「うるさいッお前もお化けに追いかけられたり、襲われたりすればいいんだっ!」
チェシャが恨めしそうにそういうと、ミケは鼻で笑った。
「されるかよ。バーカ」
ミケは、組織では至って信用度の高い方だ。
「でも、勝手に男に肩入れして、ボスに怒られたんだろ?」
そんなミケが、ボスに逆らって守りたいと思った人物は一体どんな人なのだろうと、チェシャは興味がわいた。
「…てめぇ、勝手に見たのか」
触れた時に見えた。ミケの触れられたくない秘密。
「見えたんだからしたかねぇだろ」
あくまでも不本意という事を主張するチェシャ。
「うるせぇ!」
2人は、ふざけながら、いつもの業務をこなした。
あと1日で、こんな生活も終わりを告げる。チェシャにとっての休息はあっという間で、ミケにとっての任務も終わりを告げる。この寺の竹林に咲く、美しい白い彼岸花も、もうそろそろ散り始める頃だ。
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