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2020年バレンタインデーの巻 1
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「…」
チェシャは、男から目が離せなかった。
呆然と立ち尽くし、固まる。
着こなしている服装は、どこにでもいるような至って普通の普段着だ。
男の家を訪れた時に借りた事のある
見覚えのあるパーカーにダウンを羽織り、
黒いチノパン、スニーカーを履き、立っている。
頭には、ニット帽をかぶり、擬態しているつもりだろうが、
遠くからでも分かる。
待ち合わせは、新宿アルタ前。
チェシャが指定したので、従順に時間通り立っていた。
見た事のない男の姿に、チェシャは目に入った瞬間から、
心を奪われていた。
新鮮で、斬新。
街にとけ込もうと努力している男の懸命な努力を他所に、
チェシャはいち早く男の姿を見つけてしまった。
「…?」
男がチェシャの視線に気づいたのか、こちらを向いた。
あ、見つけた。
とでも言いたげな表情のあと、微かに口に笑みを浮かべる。
その姿に、心臓がぎゅーっと痛くなる。
「そんな所にいたのか…」
男が近づいてきてチェシャの目の前まで来る。
「声をかけてくれれば良いのに…」
唖然と、男のことを見つめる事しか出来ないチェシャの顔を覗き込む。
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