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2020年バレンタインデーの巻 3
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「だって、ゆきちゃんと手繋いだりしたいじゃん!」
チェシャは、頬を膨らませた。
その頬には、ピンク色のチークが乗っている。
相変わらず美しい琥珀色の瞳には、
アイシャドウとアイラインが引かれており、
その大きな瞳は更に、愛らしい表情を作っている。
そんなもので、際立たせなくても、
チェシャの瞳は大きいし魅力的なのに、
睫毛にも更にマスカラが乗っかり、
湾曲した睫毛は更にボリュームを増している。
髪は、ウェーブのかかった茶色いウィッグと、
白いフワフワのベレー帽を被っている。
耳にもウサギの尻尾のようなフワフワのイヤリングをしている。
肩を少しだけ露出した流行のセーター、
チェックの短めのスカート、
細くて美しい足には黒いストッキング。足下は、ショートブーツ。
羽織っているのは、膝の方まであるベージュのコートだ。
遠くからよくチェシャだと気づいたものだ。
「お前なぁ…」
チェシャは、ここへ来るまでに、キャッチに何度か声をかけられた。
キャバクラとか、風俗とか、AVとか…
とにかく、そう言うくだらないヤツ。
チェシャは変装をする事を苦とは思わない。
むしろ、化粧道具を駆使するのは得意な方で、
女装に関しては、何よりも容易いことだと思っている。
「だって、ゆきちゃんと会える事なんて滅多にないし…
ゆきちゃんが遊びに来るなんて天地がひっくり返ったようなもんだから
ゆきちゃんと一緒にいても変に思われないようにしたかったんだもん」
表情を曇らせ、口を尖らせるチェシャは、俯いてしまう。
すべて、天花のことを考え、至った事なのだ。
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