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2020年バレンタインデーの巻 4
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「分かったから、そんなにしょげるなよ」
飽きれているだけだ。
チェシャにも、自分にも…
天花は、チェシャの耳元で囁く。
「俺の為に可愛くしてくれたんだろ?」
チェシャは目を見開いて、顔を赤らめた。
そして、口を尖らせらコクリと小さく頷いた。
「じゃあ、行くか?」
天花はチェシャの手を掴んだ。
「…」
チェシャの機嫌も治って良かったと天花は安堵した。
しかし、5歩くらい歩き出したところで、チェシャの声が低くなる。
「…ゆきちゃん」
天花は隣のチェシャをみると、繋いだ手を指差されて言われる。
「ちゃんと恋人繋ぎして!」
「??」
チェシャに手のつなぎ方を治される。
指と指を絡ませ、手をつなぐ方法を『恋人繋ぎ』と
呼ぶのかと天花は知らなかったため、チェシャに怒られてしまう。
「もう!子供じゃないんだからっ!」
天花は、流行にはついて行けない。というか、理解が出来ない。
いつもチェシャから化石だの時代遅れだのと言われる。
最近チェシャから『ゆきちゃん…侍はもういないよ』とバカにされた。
そんな事は知っているっ!
あの時のチェシャの哀れむような声は今でも忘れない。
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