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2020年バレンタインデーの巻 5
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2人は、人の多い新宿駅へ向かった。
券売機で、チェシャは至極慣れた様子で切符を買うと、
1つを天花に渡した。
「えぇっ!?」
「ゆきちゃんっ…!?」
駅で切符を買って、改札を通ろうとした天花は驚いて立ち止まった。
身体が大きいので、天花の後ろの人は天花にぶつかる。
「そこは、切符が入らないところだよ!」
チェシャに言われて、天花は気づく。
「あ、あぁ…そうなのか」
ぶつかった人に『すみません』と謝罪したが、既に改札を抜けていた。
「そこはICカード専用!…もう!ちゃんと前見て歩いてよっ!」
前をみて歩いてはいたのだが…
現代の自動改札について、天花は今衝撃的な事実を知った。
「すまん…」
改札を通るのに、チェシャの手を離したのが悪かった。
「もう…手繋いでないと、危ないんだからっ!」
コレでは、保護者だと天花は自分を情けなく思った。
けれどその分チェシャがなんだか逞しく見えた。普段は、見ない姿だ。
改札を通ってホームへ向かう。
天井から吊るされている電光掲示板も、天花にはカルチャーショック
そのものだったが、何よりも天花が驚いたものは、
ホームドアだった。
「…すごいな…」
今の電車のホームには、全ての扉にドアがついているのか…
別の線の隣のホームにはついていない所も多いが、
今から天花が乗ろうとしている電車のホームには、
ホームドアという扉がついていてそれが閉まっている。
「なにが?」
「こんなのついたのか?」
ホームドアの前に立って、チェシャと並ぶ。
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