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2020年バレンタインデーの巻 7
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チェシャは、サンシャインの中にある水族館へと天花を案内した。
途中、クレープを買ってそれを食べながら上の階まで、
エレベーターで上がる。
天花とチェシャは、手をつないでいる。
若干チェシャが若く見えてしまうため、
援助交際のような犯罪の匂いが微かにする。
ただ、平日の昼間ということだけが救いだ。
周りには人は少ないため、ゆっくり館内を回る事が出来る。
「水族館…って初めて来たかも」
「うそっ!」
チェシャは天花の言葉に驚いた。
「うん…まぁ、たぶん」
天花は、記憶を探るが覚えていない。
「俺の父親は、街のチンピラで酒癖が悪くてな。
母親はパートで生計を立てていて、家系は火の車だった。
父親は酒が無くなると暴れて金を母親から巻き上げて出て行って
常に家が貧乏だったから、水族館なんて言葉でしか聞いた事が無い」
天花は同情を煽ろうとしているわけでは無い。
ただ、チェシャに自らの過去の話を何気なくした。
別に隠したいと思っているわけでもない。
「うん。知ってる」
「は?」
チェシャは頷いた。
天花は、前に話した事が合ったか?
と思ったが、こんな話をするわけがないと思った。
「ゆきちゃんの事なら、誰よりも知ってるよ」
「なんで知ってるんだ?」
怪訝そうな表情をする天花に、チェシャは言った。
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