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2020年バレンタインデーの巻 15【完】
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「大体、そういうお前はチョコレート用意したのか?」
咎めるように天花がいうと、チェシャは視線をそらした。
「…」
チェシャは、天花に渡すチョコレートを用意していない。
そういえば、バレンタインデーである事も忘れていた。
というか、
天花と今日会えるという事に、ただただ浮かれていた。
「…わかったよ」
チェシャは、ハートの箱に巻き付いている赤いリボンを解いた。
それを自らの左手の薬指に巻いた。
そして、桃色の頬をしながら、上目遣いに天花を見ていう。
「左手の薬指で許して」
「…」
それは、つまり…
天花は顔を赤くさせた。
チェシャはハート形の箱を開けて、
中身のチョコレートを1つ口に含んだ。
「あ、あほか…っ!」
天花は珍しく取り乱した様子だった。
チェシャは、口を尖らせる。
「だって、ゆきちゃんが言ったんじゃん…っ!」
強引にチェシャが、天花の唇を奪う。
「んんっ!?」
チェシャの口腔内で濃厚に解けたチョコレートを天花が攫った。
唇を合わせて、舌を絡ませると、直にチョコレートは解けてしまう。
「…甘いな」
鼻に抜けるカカオの匂いと、口腔内に広がる濃厚な甘み。
久しぶりにチョコレートを口にした天花は、
その甘さにクラクラと目眩がした。
「ゆきちゃん…もっと…」
とろけたチェシャの表情に天花は欲情した。
「もっといっぱいして」
上目遣いでチェシャに誘われた天花は、誘われるままに唇を重ねた。
今までで一番甘い唇だった。
♬ end ♬
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