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2020年チェシャがいなくなる理由1-6
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『てれほんセックスはしないっ』
頑固な天花に、チェシャは言う。
言い方が、不慣れで古くさい。
…可愛い。
「どうして?」
『…』
天花はすごく言いづらそうだった。
「…」
でも、どうしてなのかを知りたかったチェシャは、天花の言葉を待った。
『…から…』
「ん?」
声が小さいのか、
それとも電波が悪いのか聞き取りづらくて、チェシャは聞き返した。
『…チェシャに触りたくなるから』
「えっ…」
天花は頭を抱える。
『いくら声でお前を感じても、目の前にいるわけじゃないだろう』
「…」
なに、そ…れ…
『お前に、キスをする事も、
触れることも出来ないなんて、虚しいんだよ…』
「…」
LINEの返信が端的なのは、長文を書いて、消してしまうから。
絵文字で誤摩化そうとした時もあったが、逆に不自然になり失敗した。
何度も電話を折り返そうとするが、
結局折り返さないのも、声を聞いたら、会いたくなるから。
寂しくて、虚しくなって…
オッサンが何をやっているんだと自責する。
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