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2021年6月雨の日の巻 ❹
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「ぅん、ぁっ…ぃぁっ!」
チェシャの後孔は乾き、突然触れてくる天花の指を拒んでいた。
引きつり、無意識に痙攣するそこをくるくると天花の指が優しくなぞる。その刺激にひくつく。
何度もそこに灼熱の塊を受け入れ、激しく刻まれた記憶を思い出させるかのように刺激されチェシャの腰から力が抜ける。
チェシャの脳裏にも、数々の痴態が蘇る。体液の交換をする性本能だけの生き物のように絡み合い乱れあった記憶が体を甘く痺れさせる。
「腰が引けてる」
「ぁっ、んんっ…!」
声を出してはいけないもどかしさから、なんとか快感から逃れようとしているチェシャの体が無意識に動く。
それを指摘されたところで、自制できるわけがないので涙目で首を振る。
掴まれている性器から、ダラダラと粘液が溢れ出る。それは陰茎全体に広がり、ヨダレを垂らすかのように睾丸にまで及ぶ。天花はそれを余すことなく双丘全体に広げる。
水っぽく伸びの良い体液が、チェシャの双丘を濡らし、入り口で刺激していた天花の指を湿らせた。
その湿った指に力が入ってチェシャの蕾を割ると、更に首を横に降って天花に何かを訴えていた。
「どうした?」
「んふっ、ぁっ、ぃぅ…!」
天花の指は、あんなに拒んでいたとは思えないほどすんなり受け入れられる。
後孔はチェシャよりも素直に、快楽を求めている。
「今度は腰が揺れてる」
天花の指から逃れたい。
もどかしさから解放されたい。
でも天花から与えられる刺激が欲しい。
そんな思いが、チェシャの矛盾した行動を生む。
天花に揶揄われて腹を立てる余裕はない。
「ん、ふぁ…っ」
チェシャは弱々しく天花を睨む。
天花は、従順なチェシャに愛おしさが増す。
普段、どんなに咎めても非常識なことを仕掛けてくるチェシャに翻弄される天花だが、今回は立場が逆だ。自分を必死に律しても、抗えない天花と同じ。
「ん、ゃっ…ぁんっ、く、ぅあっ…」
手で口元を必死に押さえて耐えるチェシャは、微かに震えていて終始訴える。
「ゅ、きちゃ…んっ、ぁっ、やだっ」
「やめるのか?」
天花を突き放そうとしていた手は口元で抵抗しようにも抵抗できず、腰は無意識に刺激を求めている。
天花がチェシャの性器を緩く動かす間に溢れた体液は先端から後孔へと回り、天花の指をさらに滑らかにする。
後孔の指がチェシャの体内へ埋没してから、さらに奥へと進んで蠢く。体内を確かめるようにゆっくり動いていた天花の指は、チェシャの体内へ埋没してまもなく、チェシャの全身が緩んでいく。
「ぁっ…んっ!」
チェシャが耐えられずに天花の体に自らの体を密着させる。少し肉付きの良くなったチェシャの体重がかかる。
元々が痩せ細って骨が浮いていただけに、体重がかかっているとはいえないほど重で、標準よりもずっと軽い。
女性のくびれとはまた違った細い腰が浮いて後孔の角度が変わる。
「ふぁっ、んっ」
天花の指の角度が変わって、チェシャは額に汗をかいた。
ダメだと言っていたチェシャの体は、彼の意思よりもずっと素直に反応する。
先ほどまで、冷たく硬く閉ざされていた蕾は、まるで春を待つ雌蕊のように徐々にその入り口たる花弁の矛先を緩ませて、雄蕊を受け入れる器としての本能を芽生させる。
何度も緩み、解け、溶け合った記憶を思い出させるように植え付けた記憶は、本能に刻み込まれて、自分の意思とは無関係に示し、快感を求める。チェシャは本来、だらしがないとか、はしたないとか、そういう常識やモラルは欠如しているため、どうしたって天花の刺激には耐えられない。天花に気を使って、従順なふりをしたり、常人のふりをして堪えている弱っていくチェシャはいつもと違って揶揄いがいがある。
「もう限界か?」
密着した天花は先ほどよりも声が近くなる。
呼吸をするたびに動く肺も、耳元で囁く低い声も、布越しの体温も、チェシャは全てがもどかしく感じる。
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